今まではこちらの言うことをわりと聞いてくれていたのに、なんだか最近はわたしたちの方が子どもに振り回されている気がする・・・。何でも「自分で」したがることも増えたし、そろそろあれもこれもさせてみてもいいんだけど、どうやって教えたらいいのかわからない!
この時期の子どもの悩みはそういったことが多いです。その悩みごとと解決策について考えてみました。参考にしていただければと思います。
悩みごと① 反抗期に入った時の関わり方
「魔の2歳」と言われるほど、2歳は第一次反抗期真っ只中です。ああいえばこう言う、こう言えばああ言うの繰り返しで、正直疲れてしまうお家の人もいますよね。きちんと成長している証でどの子も通る道、と思いつつもやりとりがとても面倒くさいです。
反抗期には子どもにとって大きな2つの意味があります。
自分という存在をアピールしたい
一つは「自分という存在をアピールしたい」ということ。つまり、自我の芽生えです。わたしはわたしという一人の人間なんだ!ということを、もうこの頃から自然とわかっているんですね。すごいことです。
自分の力を試したい
そしてもう一つは「自分の力を試したい」ということ。だから何をするにもまずは「自分で」やりたがります。
お家の人から見れば、「まだひとりでは無理でしょ」と思って言い聞かせようとしますが、「やだ!自分で!」と言って言い張るのが特徴です。
どう対応した方が良い?
一つ目の「自分という存在をアピールしたい」という様子が顕著に見られるのは「何でも自分で決めたがる」時ではないでしょうか。親が「こっちがいいんじゃないの?」と良さそうな方を進めても、「やだ。こっちがいい。」と言いますよね。
明らかに親が進めたほうが良いに決まっていても、絶対に譲ろうとしません。(笑)でも、子どもにとってはどちらの方がより良いということは問題ではなく、「自分で決めたもの」の方が良いのです。物だけではなく、行動も同様です。
こうやって、他の誰でもない自分という存在回りにアピールし、自分自身を確立しようとしていきます。自分自身の存在を意識するようになると、次第に「他者」についても認識できるようになるので、これはとても重要なことなのですね。
自分の力を試したいという子で困るのは?
もう一つの「自分の力を試したい」で困るのは、「自分でやりたがるのに、上手くいかないと途端にイライラグズグズすること」ではないでしょうか。親としては、「だから言ったじゃない。まだ無理だよ。」と言いたいところですが、ここはグッとこらえてあげましょう。
子どもは「今まで出来なかった」ことを「自分で出来るようになりたい」のです。そして、「出来るようになってすごい!」と思いたいのです。これは自尊心を高めるためには必要なことです。つまり、「自分は出来るんだ!」と思うことを経験することによって、自己肯定感が育っていきます。
それは、「僕(わたし)は出来ないんだ」という思いを持つと、大きくなってからも子どもは何に対しても意欲を持てず、挑戦しなくなってしまうからです。そして、もし出来なくてもやろうとしたことを褒めてあげて下さい。まずは何でもやろう!と意欲を持てること自体が素晴らしいことなのですから。
悩みごと② トイレトレーニングの進め方
ひとり歩きが始まり、一語文や二語文が話せるようになってくると、「おしっこ」「うんち」とおむつが汚れたことを知らせてくれるようになります。ここではまずは自分で知らせてくれたら「ちゃんと知らせてくれて偉いね」と褒めてあげると良いと思います。
1歳半くらい
1歳半くらいになると、大人に付き添ってもらいながらトイレでおしっこをするようになります。この頃子どもの排尿感覚がだいたい決まってきますので、おむつが濡れていない時でそろそろおしっこ出るかな?と思ったらトイレに誘ってみると良いでしょう。
2歳前後
そしてだいたい2歳前後に、本格的にトイレトレーニングを始めようかな!と思うお家の人が多いのではないでしょうか。なお、おむつからパンツにする目安としては、「だいたい2時間位排尿の間隔が空くこと」「おしっこが出る、出ないということがわかる」ということだと思います。
しかし中には排尿間隔はちゃんと空いているのに、おしっこが出るという感覚がいまいちわかっていないという子もいるかと思います。そういう子は、大人にトイレに促されると失敗しないのに、大人に言われないと失敗してしまいがちです。
自分で「おしっこが出る!」とわかって一人でトイレに行けるようになれば、順調にトイレトレーニングが進んでいると考えて良いと思います。「一人でおしっこに行けるようになって偉いね」と褒めて下さい。
うんちの場合はおしっこと一緒にタイミングよくトイレでしたことがきっかけとなって自立できる子が多いと思います。「そうそう、うんちもトイレでしようね。」と教えてあげましょう。
今は様式トイレのお家がほとんどなので、お腹に力を入れて踏ん張る体勢が取りにくいということも考えられます。子どもがつかまってうんちが出来るように手すりを付けたり、もう少し成長するまで様子を見ても良いと思います。
でもそうではなくて、遊んでいる間にオムツやパンツに出てしまった時は「次はトイレでしようね」ということを根気強く言い聞かせていきましょう。もしかすると「トイレに行きたくない」ということも考えられますので、トイレに行きたくなるような環境づくりも考えてあげると良いかもしれませんね。
悩みごと③ はしが上手に持てない
2歳後半になってくると、スプーンやフォークだけではなく、回りの大人を真似てだんだんとはしを使って食事をしたがったり、お家のひとも教えていくようになると思います。しかしこの日本の食具であるはしは使い方が難しくて、いきなり上手に持てる子どもは少ないですよね。
まだはしを上手に持てるようになるまでの準備が出来ていないのに、「もう~歳だし」と思って無理やり使わせると、食べるのが面倒くさくなって食べなくなってしまったり、はしの持ち方におかしなクセがついてしまって直すのに一苦労してしまいます。
はしが上手に使える子どもと上手に使えない子どもの違いとは?
では、このはしを上手に使える子どもと上手に使えない子ども、いったい何が違うのでしょうか。その答えは、はしの前に使っていたスプーンやフォークの握り方の違いにあります。
離乳食を食べ始めたころの子どもは手のひらでスプーンを上から握り込む①「上握り」で食べ物をすくって食べます。フォークも同様で、「上握り」で食べ物を刺して食べますよね。
それが1歳半を過ぎたころからスプーンやフォークの絵の部分を下から握る②「下握り」になります。そして最後、2歳を過ぎるとスプーンやフォークの柄の部分を③えんぴつ握りで持つようになっていくというのが変化の過程です。
しかし、この①「上握り」➡②「下握り」➡③「えんぴつ握り」がどの子も自然に出来るようになるのではないのです。こういう風に握ってたべられるようになるために、食事の度に大人が注意してみてあげて教えてあげることが必要になります。
といっても、もう2歳を過ぎているのに、まだ「上握り」「下握り」で食べているよ~という場合。はしを持つ時期が遅れてしまっても良いのできちんとスプーンやフォークを「えんぴつ握り」で食べられるようになってからはしで食べられるようにした方が良いと思います。
また、えんぴつ握りは出来るけど、はしがなかなか上手に使えない子どももいることがありますよね。その場合はまだはしの使い方(動かし方)に慣れていないことが考えられますので、例えば輪ゴムを8の字にしてそれぞれの穴に人さし指ゆびと上のはし、親指と下のはしを入れて、固定したまま動かす練習をしたり、はしではさみやすい食べ物ははしで食べて、後はスプーンで食べることから始めることにしても良いと思います。
「出来ない」ことが続くと子どもははしを使いたがらなくなりますので、お家のひとはまずは出来そうなことから始めて、焦らず子どもの様子を見ながら根気強く付き合ってあげて下さい。
まとめ
最後にまとめとして、各悩みごとにおける解決策のチェックポイントを整理したいと思います。
悩みごと①反抗期に入った時の関わり方
- 自分で決めたがる時は、出来る限り決めさせてあげる。
- 「自分で出来る!」という経験を沢山させてあげる。
悩みごと②トイレトレーニングの進め方
- おしっこを知らせてくれたら毎回褒めて、習慣づける。
- 排尿間隔と排尿感覚を見定めて、トレーニングを始める。(パンツをはかせる。)
- 失敗を重ねても焦らず、根気強く行う。
悩みごと③はしが上手に持てない
- スプーンやフォークを使う時から、①➡②➡③の順で握れるように教える。
- 楽しく食事が出来るように、使える食具から使い、徐々にはしを持てるようにする。
2歳くらいの子どもって、「自分でやりたい」気持ちと「まだ甘えたい」気持ちとが半分こなので、大人は「どうしたいの!?」と悩むことが多いかもしれません。
でも、そんな葛藤を経験して成長していくのがこの時期の特徴です。そんな子どもの気持ちを温かく受け止めてあげられたらと思います。