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もうすぐ卒園~小学校入学前に保護者が不安に思うことを先生が解決!(その1)

この3月で慣れ親しんだ保育園ともいよいよお別れ。寂しい気持ちと嬉しい気持ちとが半分ずつの保護者の方が多いのではないかと思います。そんな中、4月から始まる新たな小学校生活。子どもと共にわくわくドキドキ、不安もありますよね。

そこで今回は保育園に通う年長さんの保護者が、小学校に入学する前に思う不安や心配ごとと、それについて保育園でしているアドバイスについて紹介していきたいと思います。皆さんの不安や心配ごとの参考になって頂けたら幸いです。

不安①~勉強についていけるのかな

保育園と小学校の大きな違いといえばやはり、1日の大半を「あそび」ではなくて「勉強」をして過ごすことになるというところではないでしょうか。保育園では、小学校のような教科の区切りや時間割はなく、ある程度子どもの様子に合わせて活動内容を考えて生活します。

しかし小学校に入学すると、教科があり、時間割もあり、保育園の頃に比べると子どもにとって決められていることがはるかに多い生活になるということが伺えます。そして、決められた時間の間、ずっと椅子に座って授業を聞いたり、教科に合わせた勉強をし続けるということになかなか馴染めない子どもも出てくると思います。

それでも保育園の頃から「先生やお友だちがお話している時は静かに話しを聞く」ということや、「次の指示があるまでは、静かに座って待っている」ということを学習している子どもがほとんどですから、「あそび」と同じように「勉強」も面白いと感じることが出来るようになれば、その生活にも次第に慣れていくことが出来るものだと思います。

ただそこで問題になるのは、「勉強が面白いと思えるのかどうか」ということではないかと思います。勉強が面白いと思えれば、授業にも意欲的に取り組めるものですし、意欲的に取り組めれば、わかることも増えて、増々勉強を面白いと思えるものです。

しかし、勉強についていけなくなる原因となるのはその反対で、「勉強が面白くない」ということだと思います。でもどうして面白くないのでしょうか。その主な原因はきっと「わからない」からではないでしょうか。

保育園の頃にも、担任保育士から子どもの得意、不得意についてお話されたことはありませんでしたか?子どもって、得意なこと、好きなこと、つまり「出来ること」についてはずーっと飽きずに続けることが出来るのです。しかし、反対に不得意なこと、嫌いなこと、つまり「出来ないこと」についてはやろうとしないし、やってもすぐにおしまいにしてしまいます。

でも保育園の頃は特に成績や評価がつくわけではないですし、そこまで気に掛けることもなかったですよね。それが小学校に入学すると、勉強の出来る、出来ないについての成績や評価がすぐについてしまいます。そこで、「勉強についていけている、いない」ということがはっきりわかるのです。

ですのでまずは、保育園の段階で子どもの好きなことと嫌いなことについて、よく把握しておきましょう。なぜなら、やはり嫌いなことについては小学校でも必ずといっていいほどつまづくからです。

例えば、あんまり絵本が好きではないとか、ひらがなについて興味を示さない、少しも真似をして書いてみようともしないのであれば、あまり国語は得意ではないのかな?とか、時計の仕組みや、ものがいくつあるとか、数字や形に興味がないのであれば、算数が得意ではないのかな?といった具合です。

特別、小学校でしているようなことを早めに行う必要はないですが、子どもの小学校での勉強に対する準備がどれくらい出来ているのか、把握しておくと良いと思います。また、担任保育士ともそのことについて話し合って、小学校に入学してからサポートしたほうが良いところなどを考えておくと良いのではないでしょうか。

そして、実際に小学校に入学して勉強が始まったら、特に子どもが不得意と思われる教科については宿題を見てあげたり、一緒に教科書を見たりする時間があると良いと思います。そして、「わからない」部分について、子どものペースに合わせてゆっくりでも良いので教えてあげられると良いでしょう。

勉強も、子どもの発達と同じで階段のように1つずつ登って積み重ねていくものです。1番下の段がわからないのに、次の段はわかりませんので、焦らず、1段1段積み重ね、わかることを増やしてあげて下さい。わかることが増えると、勉強の面白さを感じられるようになると思います。

それでももし、他の子どもに比べて明らかに勉強に対する理解が出来ない様子が見られる場合、限局性学習障害の可能性もありますので、担任の先生とも話し合って、専門機関に受診することをおすすめします。

限局性学習障害の場合、親がどんなにサポートしても、子どもにとって普通学級で授業を受けるのは極めて困難です。この障害に対する理解や専門的知識をもった先生に勉強をみてもらえることが1番ですので、理解してあげて欲しいと思います。

不安②~生活リズムの変化に対応できるかな

保育園の頃は、登園時間や降園時間をある程度保護者の就労時間に合わせることが出来たと思います。しかし、前の項目でもお話しましたが、小学生になるとどちらも小学校の規則内の時間に合わせないといけなくなりなす。

朝の登校時間の場合。お子さんが小学校に入学するのをきっかけに、朝の出勤時間を遅く出来るようにした保護者の方もいますが、どうしても変えることが出来ず、子どもが最後に家を出るという場合もあるのではないでしょうか。

ということは、今までお家の人と一緒にしていた朝の出かける支度を子どもが1人で行わなければならないということになります。もしこのような生活をしなければならないのであれば、保育園のうちから少しずつ練習していくことが必要になりますよね。

お家の人がいるうちに登校する子どもに関しても、小学校入学を機に、出かける支度を自分1人で行うということは、子どもの自立の為にもさせた方が良いと思います。しかし、色々な職業形態の保護者の方がいますので、出来る支度は朝ではなく、前の日の夜のうちに子どもにさせることをおすすめします。

そして、最後は子どもと一緒にお家の人が最終チェックをしてあげて、忘れ物がないか確認しましょう。これが出来るようになると、朝の時間に親子共々余裕ができます。次の日の支度をしながら、次の日の学校での予定なども聞いてあげることもできますしね。

そして、朝ごはんの支度はお家の人の方が早めに出る場合でも、ある程度準備してあげたほうが良いと思います。これは個人的な意見ですが、やはり食事の支度というものは子どもに親の愛情を伝えてあげられることの1つだと思うからです。

また、子どもは何をするかわかりません。出来ると思って火を使って火事になってしまう恐れもあります。絶対に、何があっても1人で火を使わせたりしないようにしましょう。そして出来れば子どもが登校する少し前になったら、電話で子どもの様子を確認してあげると良いと思います。

また、朝起きてから毎日行う手順について張り紙などをしておき、その手順に沿って準備ができるようにしておくというのも良いと思います。これは、保育園に通っている間にもできますので、ぜひ練習してみて下さいね。

子どもにとって家庭、家族とは、「絶対的安全基地」であることが大切だと思いますので、本当は出掛けるのが最後ではない方が良いとは思います。しかし、そういうわけにはいかないのが実情だとも思います。

そんな中でも、親が子どもに愛情を伝える術はいくつかあると思います。1番大切なことは、どんなに忙しくても、いつもあなたのことを大切に思っていますよという親の気持ちや態度です。そして子どもは敏感に感じとるものです。そのことを忘れず、小学校入学後も、子育てをしていって欲しいと思います。

また、小学校降園後については今の時代、学童保育に行くという子どもがほとんどなのではないかと思います。学童保育は小学校に併設しているところもありますし、小学校の近くにある場合もあります。

同じ学童保育に通うお友だちや、学童保育の場所や何をするところなのかを子どもに話しておくと安心できると思います。そしてお家に帰ってきてからは、夕食やお風呂、寝る前などに子どもの学校での様子を良く聞いてあげ、早めに就寝できるようにしましょう。

毎日同じように過ごすことで、子どもの生活リズムは整います。疲労感のない、心身ともに健康な状態を保つことが、小学校生活を充実させるためにはとても大切ですので、子どもに正しい生活習慣を身につけてあげられるようにサポートしてあげましょう。

不安③~ひらがな・カタカナは書けるようになっていたほうが良い?簡単な計算は出来ないとダメ?

この質問はわりと多くの皆さんが持つものであると思います。そしてこういった読み書きまたは計算について、保育園のうちから塾などに通わせて、早期教育している家庭と、そうではない家庭では考え方に違いも出てくるように思います。

保育園では早くから文字に興味を持つ子どもであればだいたい4歳前後に文字が読めるようになり、5歳前後になるとひらがなやカタカナを真似をして書いたりするようになります。もちろん、保育士がその目的を持って身につけさせようとするわけではなく、自然にです。

そして6歳くらいになると、すらすらと文章を書いて、簡単なオリジナル絵本を書いて遊んだり、保育士やお友だちと「お手紙ごっこ」を楽しんだりしています。その姿についてはとても喜ばしいことですし、子どもの方から、「先生、~ってどう書くの?」と聞かれれば教えてあげます。

つまりこちらとしては、特に「書き」については、「子どもが興味を持って学ぼうとしている」のであれば、その都度教えますが、活動の一環として「必ずできなければいけないもの」ではないと思います。

小学校の先生の中には、「保育園で教え込むと逆に変にクセがついてしまう子どもがいますので、教えなくても大丈夫です。」とおっしゃる方もいます。そして、保育園で教えなくてもほとんどの子どもが小学校で学んでいるうちに程よい時期に書けるようになるそうです。

しかし、「読み」については、もしあまり学習出来ていないようであれば、保育園のうちから意識的にお家でも教えてあげたほうが良いと思います。なぜなら、小学校に入学してからひらがな・カタカナが読めないと、色々な名前がわからず、子ども自身が困ってしまうからです。

保育園の時は自分の名前と一緒に自分のシールが貼られていたり、片付ける場所には片付けるもののイラストが貼ってあったりするのですが、小学校はほとんどが「文字」で示されるものです。

また、自分の名前を書く機会は多いかもしれませんので、名前くらいは書けたほうが子どもにとって良いのかもしれません。小学校では書き順も習いますので、その際はきちんと書き順も教えてあげるようにしましょう。

算数に関することとしては、保育園では量やかたち、空間などを生活やそれに関連したあそびの中で自然と学びます。(例えばおやつなどを人数分配る、積み木で遊ぶ等)計算についてはだいたい5~6歳くらいになると興味を持つ子どももいますが、「書き」と同様、小学校のような取り組み方はしないところが多いと思います。

しかし、普段の生活やあそびのなかで、量やかたち、空間を感じたり、身のまわりにことを数や計算で判断したりすることは、小学校での勉強を行う準備として必要なことだと思いますので、お家でも意識付けてあげると良いのではないでしょうか。

まとめ

それでは最後にまとめとして、①~③の不安について、各項目のチェックポイントを整理したいと思います。

不安①勉強についていけるのかな

  • 勉強は、「わからない」➡「おもしろくない」➡「やらない」➡「ついていけない」
  • 得意・不得意を把握しておく。
  • 子どものペースに合わせて教える。

不安②生活リズムの変化に対応できるかな

  • 次の日の支度は前の日に1人でさせる。最終チェックは親子でする。
  • 忙しくても、いつも大切に思っていることを言葉や態度で示す。
  • 心身共に健康な状態で生活できるようにする。

不安③ひらがな・カタカナは書けるようになっていたほうが良い?簡単な計算は出来ないとダメ?

  • 「書き」は必ず出来なければいけないわけではない。
  • 自分の名前を書くことと、「読み」は出来ていた方が良い
  • 「計算」は生活やあそびの中で経験できれば良い。

以上、もうすぐ卒園 小学校入学前に保護者が不安に思うこと(その1)でした。次回は続きとして、もうすぐ卒園 小学校入学前に保護者が不安に思うこと(その2)の不安④「新しいお友だちと仲良くできるかな」からお話しますのでまた参考になってくれたらと思います。

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