【LERAI(りれい)】Learn to raise ~育てることを学ぼう~をコンセプトに保育園・幼稚園の先生達がママ・パパの疑問を解決します!

0~5歳児の子育ての悩みごとTOP3!原因と対策を保育園の先生が解説します!

0~5歳児の子育ての悩みごとTOP3!原因と対策を保育園の先生が解説します!
    【0~5歳児の子育ての悩みごとTOP3はコレ!】
  1. 言うことを聞いてくれない
  2. 発達に不安がある
  3. 偏食・少食

子育てって楽しいことがたくさんある反面、「これで大丈夫?」「どうしたらいいかわからない!」などの悩み事も多いですよね?
そんなお父さん、お母さんの悩み事に何か出来ることはないかなと思い、今回は現役で保育士をしている私が実際に保護者さんから聞かれる【0~5歳児】の子育ての悩み事TOP3について、それぞれの原因や理由、解決策をお話ししたいと思います!これを読んで少しでも子育てのお役に立つことが出来たら嬉しいです。

悩みごと①~言うことを聞いてくれない

保育園に通う園児の保護者さんから聞かれる悩みの定番といえば、「家だと全然言うことを聞いてくれないんです。」という悩みです。「先生の言うことなら聞くのに~。」という言葉を聞くと、「それはやっぱりお家だから、甘えちゃいますよね。」と答えることが多いのですが、そんな中にも「どうして言うことを聞いてくれないのか」という悩みについて、考えられる原因と解決策をいくつか上げてみました。

原因1 機嫌が悪い

寝起き、寝不足、体調が悪い(熱がある、便秘、下痢気味など)、喉が渇いた、お腹が空いたなど、子どもは生理的欲求が満たされていないときは顕著に機嫌が悪いです。(子どものみならず、大人もそうですよね。)

まずは、体調の悪いところはないか観察したり、生活リズムが不安定になっていなかったか、振り返ってみましょう。0、1歳くらいであれば特に、いつもよりグズグズと泣くことが多くて機嫌が悪いということは、これから具合が悪くなる前兆であることも多いと思います。こんな時は無理をして言うことを聞かせようとせずに、熱を計ってみる、いつでも体を休めることが出来るようにお家でゆっくり休むなどして様子を見ましょう。

また、お家の人がこれからお仕事で保育園などに預ける場合は、保育園の先生にお家での様子を伝えておくとよいでしょう。生活リズムが不安定になっていることが原因であると考えられる場合は、足りないところを補ってあげながら徐々にいつもと同じ生活リズムに戻して、整えていってあげましょう。

原因2 遊びに夢中

お家にいるときであれば、食事・お風呂・就寝・外出前など、子どもが自分の遊びに夢中でなかなかお片付けが出来ないなどして、次にやりたいことまでに時間がかかってしまうことがありませんか?

特に、お仕事の前など、「時間がない!!」という時は困ってしまいますよね。こんな時、子どもの方からすれば、「え~!今いいところだったのに~!」という気持ちなんですね。完全に大人の都合に振り回されてるという感覚です(笑)だから、「やだ!!」と言って言うことを聞かないのです。

しかし、やらなければいけないことを教えるのも大切なことですよね。そこで子どもに言うことを聞いてもらうためのポイントは、大人の都合に合わせさせるのではなく、出来るだけお互いの都合を擦り合わせるという感覚をもつことです。

皆さんは活動に区切りがつくと次に活動に移りやすかったりしませんか?まさに子どももそうなんです。ですので、大人は次の行動に移る少し前になったら、「もう少ししたら、~する時間だよ。」と終わりの時間が近づいてきていることを伝えてあげましょう。そうすると、子どもの方も遊びに区切りをつけようとし始めます。

なお、1,2歳くらいの子であれば、子どもと一緒に遊びながら、大人がこどもの遊びを終えられるように誘導してあげるといいと思います。年長さんくらいになると、だんだん時間の感覚も身に付いてきますから、「時計の長いはりが6のところに行ったら出かけるよ!」などと伝えてあげると良いでしょう。

それと、なかなか遊びに区切りがつけられず、「まだまだ遊びたい!」という時は「また今度やろうね」と約束するのが効果的です。大人がびっくりするくらい、子どもが気持ち良く遊びを終えることが出来たりしますよ。それはきっと「もう遊べない・・・」という気持ちよりも、「またこんな楽しいことができる!」という期待が持てるからなんでしょうね。

原因3 良くないことだとわかっていない

何回注意しても同じことをしてしまう子どもっていますよね。というよりも、ほとんどの子どもがそうだとも言えます。「いつも注意していることなのに、どうしてわかってくれないの!?」と嫌になることも多いのではないでしょうか。

注意する内容や年齢にもよりますが、良くないことだということがちゃんとわかってないから繰り返してしまうのでしょう。じゃあどうすればわかってくれるようになるのでしょうか。

子どもが小さければ小さい程、「まだこちらの話していることはわからないし・・・」と思いがちですが、0歳でも7~8カ月くらいになると、簡単な言葉であれば大人の話していることがわかってきます。そして、言葉でやりとりができないとしても、子どもは大人の表情をとても良く見ていて、その表情から気持ちを推測することが出来るようになっていくのです。

ですので、「どうせ言ってもわからないし・・・」とあきらめるのではなくて、子どもからよく大人の表情が見えるように子どもの目を見つめ、、「~しちゃダメだよ」と表情と言葉で伝えていくと良いでしょう。その際、怒っている表情だけではなく、状況に応じて困った顔や悲しんでいる表情もできるといいと思います。

ちなみに子どもはいつも自分の側にいて、お世話をしてくれる大人の方がよく言うことをききます。まだ本当の意味で「何がいけなかったか」ということが理解できていなくても、大好きなお母さんやお父さんが怒ったり、悲しんだり、困ったりしていたらやめようと思うものです。また、1回注意したからといって、すぐにしなくなるというわけではありませんので、根気強く、愛情を持って何度も繰り返し教えてあげましょう。

原因4 反抗期(2歳頃~)

今まではあんなに素直に大人の言う通りに動いていてくれたのに、最近は何でも「やだ!」「自分でやる!」といって全然言うことをきいてくれない・・・頑固で面倒くさい・・・という時は第一次反抗期に突入したと思って下さい。

この反抗期、大人からすると確かにすごく面倒くさいのですが、子どもが健やかに育つためにはとっても大切なんです!中でも困るのは、大人からすると明らかに「まだこれは一人ではできないでしょ。」と思うことでも「自分でやりたい!」と言い、なかなか終わらずどんどん時間が過ぎていくというパターン。

お家の人からすると、特に時間がなくて急いでいるときにはやきもきしてしまうと思います。だからといって、子どもの意志を無視して無理やり親がすべてしてしまうのは良くないことだと、だれもが認識出来ることですよね。こういう時にスムーズでなおかつ子どもの気持ちを損なわずにする方法は、「もう少しでできそうなところまでは大人がさりげなく手伝う」という方法です。あくまでも「さりげなく」というところがポイントで、最終的には子どもが「自分でできた!」という達成感を持たせてあげることが大切です。

また、できたら必ず大人が褒めてあげて下さい。そうすることで子どもは自分に自信をつけていきます。この時期は、子供の自分でやりたいという気持ちを尊重しつつも、大人が時間を管理しながら側で上手く手伝ったり、見守ったりすることが大切です。

原因5 甘えたい、自分のことを見て欲しい

つい最近まではあんなに喜んで保育園にも行っていたし、お友だちとも楽しそうに遊んでいたのに、このところ朝保育園に行きたくないと大泣きしてしまう。保育園で特にトラブルがあったわけではなさそうだけど・・・。

そういう時、子どもの気持ちがわからなくて困ってしまいますよね。また、さっきもそれしちゃダメって言ったはずなのに、またやっている。しかも、大人の方をチラチラ見ながら、なんだかわざとしているみたい。そういう時もありますよね。

大人に見せる子どもの態度は全く違う2つですが、どちらも共通して言えるのは、「僕(わたし)のこと、ちゃんと見て!」というアピールなんです。つまり、大人を困らせることで、気を引いているんですね。

そんな時、ここ何日間の子どもとの過ごし方について大人が振り返ってあげましょう。特に、子どもの年齢が高くなるにつれて、毎日問題なく保育園に通っていることが、大人にとって安心材料になりやすくなってしまいます。

同じ日々が繰り返されているから、あまり心配することがなくなってしまう。子どもがいい子にしているからと、つい向き合う時間を持たなくなってしまう。確かに年齢が高くなってくると、大人から見てお友達と遊んでいる方が楽しそうだし・・・と思うかもしれませんが、お友だちと遊ぶことと、お家の人と過ごすことは別の問題だと思って下さい。

子どもにとっての親とは、安全基地であり、揺らぐことのない確かなものなのです。そして、その基地に不安を感じているから、最近言うことをを聞いてくれないのかもしれない・・・と気付いてあげられた時には、子どものために思いつくことを一緒に楽しみ、過ごしてあげてみて欲しいと思います。

悩みごと②~発達に不安がある

「うちの子、もう○ヵ月になるのにまだハイハイしないな・・・」「~ちゃんの△△くんはすごくよくお話するのに、うちの子は全然お話しないな・・・」など、特に発達における心配ごとはだいたい0~2歳くらいの小さい子に多いです。

どちらかというと、保育園に通っている子のお家のひとは毎日保育士さんと連絡を取り合い、相談出来たり、同じくらいのお友だちと自然に見比べたりできるので、お家のひとが一方的に深刻に悩むことが少ないと思います。

反対に一番悩むのは、専業主婦で、あまり人と関わることが得意ではないお母さんではないでしょうか。赤ちゃんあるいは未就園児(1~3,4歳)と2人きりで過ごすことが多いので、育児不安や育児に対するプレッシャー、育児ストレスを溜めやすいということが考えられます。

そして3,4,5歳児になると、多動性、衝動性、集団生活での態度、理解力、コミュニケーションの取り方など、よりいろいろな面においての発達の様子が気になってきたりします。

子どもの発達における不安は、人によってはデリケートな部分でもあります。今回は、保育園の子どもたちとの関わりや保護者との発達相談を通して子どもたちの発達をどんな風に捉えて支えているかなどを記述しますが、もしも、不安な気持ちがとても大きくて、お家の人が心身に障害が出るようであれば、すぐに専門機関または、身近にある子育て支援センターなどの保育士さんに相談することをお勧めします。

では、保育園に通う子どもたちの発達の様子から分かることや保護者が子どもの発達のどんなところに不安を抱える理由があり、どうしたらいいのかということをお話したいと思います。

理由1 体が小さいあるいは大きい

まずは体の大きさが、平均値と比べて極端に小さい子や大きい子。これはやはり、出生時の身長と体重に比例して成長するから仕方がないことだと言えます。また、身長と体重のバランスが取れていて、順調に発育しているのであれば問題はないと思います。(身長・体重あ子育て支援センターなどで計ってくれる場合がありますよ。)個性として捉えてあげましょう。

しかし、例えば最初から母乳やミルクの飲みが悪く、その状態がいつまでも続いて体重が増えない、手や足の力が弱い、自発的に動こうとしない、体に柔軟性がなくて突っ張るなどが見られたら、どこか体の機能が弱い可能性もありますので、医療機関に一度見てもらうなどしても良いと思います。余程のことがない限り大きな病気ということはないとは思いますが、相談も兼ねて行ってみるのが得策です。

反対に体重がどんどん増えてしまう場合。まだ母乳やミルクだけの時は問題ないと思います。離乳食が始まり、なんでもパクパク食べてくれるのも、健康なしるしです。しかし、何でもパクパク食べていた子でも、味覚が発達してくると、好き嫌いをするようになります。さらに、完了期が終わり、ほとんど大人と同じものが食べられるようになると美味しいもの(特に甘いもの)を欲しがるようになっていくと思います。

そこで、この時期のいわゆる「おやつ」の与え方がとても重要になってきます。大人にとってのおやつは「嗜好品」という意味合いですが、子どもにとってのおやつは、「3食では足りない栄養素を補う」という意味があります。

ですので子ども体重の増え方があまりにも急上昇してきたと感じるときは、「おやつの与え方」や、おやつの量や質にも気を配ってあげましょう。このくらいの時に甘味の強すぎるものや刺激の強いものを覚えてしまうと、くせになってなかなかやめることが出来ませんので、こういうところは子どものために大人がしっかり管理してあげないといけませんよ。

また、運動量についても考えたいところです。特に体の大きい子は自分の体をあまり積極的に動かそうとしない傾向があります。しかし体を動かさなければたとえ0歳児であっても大きくなっていってしまう一方でしょう。離乳食が始まる頃が丁度ハイハイをする頃だと思います。大人が積極的に広い場所に連れ出し、全身を使って動けるような環境で思いっきり遊ぶことが出来るようにしましょう。

理由2 運動が苦手

保育園の子どもたちを見ていると、遺伝的に体を動かすことが好き・嫌い、得意・不得意というのはやはりあると思います。しかしながら、0歳の頃から大人が積極的に赤ちゃんとスキンシップをとって体を動かしてあげたり、知的好奇心を生み出すような環境を整えて、自発的に動かしたくなるようにしてあげると、運動能力は次第に伸びていくものです。

それに加えて、大人が子供の相手をしてあげながら遊び、言葉と表情を通して「楽しい!」という気持ちを共有することがとても大切です。ほとんどの子どもに言えることですが、基本的に子どもは「楽しい」と思うことしかしません(笑)

ですから、基本的な子どもの運動能力を伸ばしたい時は、ぜひ、「親子で楽しめるもの」を選ぶことをおすすめします。そうやってお家の人と楽しく体を動かした経験がある子は、児童期になってもいろいろな運動に自信を持って積極的に挑戦出来るようになると思いますよ。

なお、この時期の運動能力の発達に関してひとつ気を付けて欲しいのは、「人と比べ過ぎて、子どもに要求し過ぎない」ということです。親としては自分の子がどの位できるのかとても気になるところではあると思いますし、客観的に自分の子どもを見ることは大切だと思います。

しかしながら、発達とはある日突然出来るようになるものではなく、階段のように1段1段上っていくものなのですね。誰かと比べて、達成できないような無理な要求をするのではなく、「この子にとって今、そして次に必要なことは何かな?」と考えてあげましょう。そうやって子どもが達成できた時にともに喜びあうことが、子育ての楽しさでもあると思いますし、子ども自信にもつながっていきます。

理由3 ことばの発達が遅い

子どもはだいたい1歳くらいになると、身近な言葉、例えば「パパ」「ママ」「マンマ」などの単語(初語)を話し始めます。しかしその前にも、何をいっているのかわからないけれど、何かこちらに向かってお話をしているなあ・・・と感じることがありますよね。

つまり言葉は最終的には自分の周りにいる人とコミュニケーションを取るための道具といえます。それなのに、なかなか言葉を話さないケース・・・。それは心配になりますよね。その場合、実は言葉の問題だけではなく、まさにコミュニケーションに問題があることが想定されます。

言葉がなかなか出なくても、大人の言うことが分かっていたり、指しや態度でコミュニケーションを取ろうとする意欲があるのであれば、そこまで心配せずにしばらく様子を見ても良いと思います。

しかしもしも、「なんとなく、この子と気持ちが通じ合わない気がする・・・」と薄々思っていた場合は自閉症傾向にあるかもしれませんので、保健師さんなどに相談すると良いかもしれません。早めに相談に行くと、専門的で具体的なアドバイスをしてもらえますよ。

また、初語は出たけれど、あまり積極的に自分からお話しない子どもに対しては、まわりの大人が世話をし過ぎていないか考えてみましょう。その場合、子どもは自分から気持ちを言う必要がないから話をしない。つまり、言葉を使わなくてもコミュニケーションが取れてしまう状況にあると考えられます。

子どもの気持ちを察してあげることは大切ですが、子どもがちゃんと言葉を使って回りとコミュニケーションが取れるようにしてあげましょう。その他にも、「お話することが楽しい!」と思えるように、大人が子供の話を引き出してあげる、一生懸命に自分で話そうとしている姿を認め、笑顔で話しを聞いてあげることが大切です。自分が話したら、相手が笑ってくれた!ということだけで、子どもは嬉しい気持ちになりますよ。

もしも、子どもが話すきっかけ作りに迷ったならば、「絵本を読んであげる」こともいいと思います。同じものを一緒に見て共感し、絵本に出てきた言葉を一緒に真似をして遊んだりすると楽しいですよ。

理由4 感情の起伏が激しい(すぐに怒る、泣く、わめく)

生まれてすぐの新生児は快・不快・興味の3つの感情があり、だいたい6、7か月になるまでに喜び、怒り、悲しみ、驚き、恐れなどの基本的感情は出そろうと言われています。それでもその表現の仕方だったり、どの表現がより強く表出するかはその子によって違いますよね。

0歳児の子どもを見ていても、だれひとりとして同じ子どもは存在せず、生まれながらに性格の違いがあるということを実感します。そんな中でも、ちょっとしたことで怒ってしまう、など、マイナス感情になりやすい子は、お家の人にとっては手のかかる要因のひとつではないでしょうか。

性格だから仕方がないという部分もあるとは思いますが、じゃあなぜそんなに感情の起伏が激しいのかという部分を、発達の側面から考えてみました。

まずは、わりと年齢が高い場合であれば、何らかの発達障害を抱えていること(軽度であることが多いので、反対に気付きにくいかもしれません)。発達障害の子どもは、人とのコミュニケーションの取り方に障害を抱える子がほとんどで、自分の気持ちをわかってもらえないなど、不快に感じてしまうと自分の気持ちをコントロールすることが出来ずにそのまま感情が爆発してしまいます。

それでも3歳くらいまでの子どもであれば、自分の気持ちをコントロールできるようになるまでの発達の途中だと考えられますが、4,5歳になっていて、それがどんな場面でも我慢することができずに爆発するようであれば、発達障害である可能性もあるかなと考えてみてもいいかもしれません。

また、発達障害の子は感情のコントロールの点に関して、同年代の子どもに比べると成長がとてもゆっくりという点が特徴的に見られます。保育園での子どもの様子を保育士に尋ねたり、相談してみるのが良いでしょう。

でも、1~3歳くらいの子であれば、情緒の発達の途中であることが考えられるかなと思います。怒ったり、泣いたり、わめいたりしたときは、大人に対して「どうしてわかってくれないの~!!」という気持ちをぶつけたくて一杯なので、いくらこちらが事情を説明しても理解することが出来ません。まずは大いに大人に気持ちをぶつけさせ、側にいて見守ってあげたり、抱きしめてあげたりして落ち着かせてあげましょう。

「そのこと自体は受け入れることは出来ないけれども、あなたの気持ちは受け止めましたよ。」という大人の態度に安心感を持たせてあげることが大切です。その後で、「~したかったんだよね。」などと子どもの気持ちを大人が言葉にしてあげたり、なぜダメなのかということをわかりやすく丁寧に伝えていきましょう。

感情的になっている時は、自分の気持ちを上手く表現出来ずに、怒ったり、泣いたり、わめいたりするのが子どもです。しかし、子どもが落ち着いたら大人がその気持ちを言葉で表してあげることによって、次第に自分の気持ちにも気付けるようになったり、気持ちを言葉で相手に伝えられるようになっていきます。

理由5 排尿・排便の自立が遅い

一般的に、トイレトレーニングは2歳ころから始めて、3歳前後のうちには完全に自立すると言われています。しかし、他の発達面には特別問題はないのに、おしっこ(うんち)だけがなかなか取れないんです・・・というお悩みがわりとあります。

考えられる理由としては、「尿意、便意(便意はまれかもしれません)がいまいち感じられない」「排尿間隔が短い」「トイレが嫌いまたはトラウマになっている」「あそびに夢中」の4点、ではないでしょうか。

ではまず「尿意・便意がいまいち感じられない」という理由。普通、膀胱におしっこが溜まってくると、膀胱から脳に「おしっこがでますよ~」という刺激が神経から送られるのですが、まだ神経系の発達が未熟で脳がその信号を上手く受信できていないことが考えられます。

お家の人に促されてトイレに行くと、タイミングが合えばおしっこ出来るのに、1人では判断できず、失敗してしまうんですね。そういった場合、神経の発達を待つしかないのですが、その神経の働きを高めるために出来ることもあります。

それは、大人が時々子どもに「おしっこ出る?出ない?」と考えさせるということです。「ほら、おしっこ行くよ!」というのではなく、自分で意識をさせることが大切です。先に脳の方に刺激を与えることによって、神経系の働きを活発にさせると良いでしょう。

「排尿感覚が短い」という場合は、まだ膀胱に溜められるおしっこの量が少ないことが考えられます。こちらも体の発達を待つしかないのですが、あまりにも失敗し過ぎると、子どもも自信をなくしてしまいますから、時々「おしっこに行ったほうがいいんじゃない?」と大人が促してあげましょう。

「トイレが嫌いまたはトラウマになっている」が理由の場合は、まずはトイレの環境を見直してみた方が良いでしょう。寒い、汚いなども子どもはちゃんと感じていますから、気を付けたいところです。トイレに行った時に感じるマイナス感情をプラス感情に変えてあげられるような工夫、トイレに行くと楽しいことがある!と思わせたら勝ちです。

例としては、子どもの好きなものを置いてみる、おしっこが出たらごほうびシールを貼る、家族やお友だちとの楽しい写真を飾るなどです。

また、「前に上手くできなかった」というトラウマから、自信を失くしている子にもマイナス感情が強く働いて可能性があります。こういった場合は無理強いせず、でも大人は子どもの機嫌の良い時に、根気強く誘い続けましょう。

子どもの好きな動物や乗り物、キャラクターなどのパンツを用意してはかせたりすると、「汚したくない・・・」という思いが強くなったりすることもあります。排尿間隔も2時間くらい空いていて、尿意が感じられるのであれば必ずトイレで出来るので、子どもの気持ちや生活リズムのタイミングを見計らって大人が丁寧に関わり続けることが大切です。

ちなみに「トイレが嫌いまたはトラウマになっている」が理由の子には怒らないように注意が必要です。

「あそびに夢中」が理由の子には、まずは遊ぶ前に必ずトイレに行く習慣を付けさせると良いでしょう。遊びたくてついトイレに行くのが面倒になって失敗してしまう子も同様です。3歳前の子どもであれば遊んでいるときに大人が声をかけることも良いですが、3歳を過ぎたら特に、遊ぶ前にトイレに行く習慣を身につけさせたほうが、自立という点においてはよりよいと思います。

悩みごと③~偏食・少食

味覚が発達し、だんだん意志表示が出来てくる1歳半ころからいわゆる食べ物の「好き嫌い」がでてくると思います。だいたいの子が「いや」と食べたがらないのはやはり野菜ですね。しかし、調理法を工夫したり、大きくなるために必要ということを根気強く言い聞かせていくことによって、徐々に改善されていくことも多いです。

ちなみに、保育園の子どもたちを見ていて野菜の次に嫌がりがちな食材は「牛乳およびスキムミルク」です。子どもにとって必要な栄養価が高く、1~3歳まではほぼ毎日出されますが、結構飲みたがらない子が多いです。

このように、食材自体の要素に食べたがらない原因があったりする場合と、それとは別に根本的に食事が進まない子がいるかと思います。この2つの側面から、その原因と解決策ついて、いくつか挙げてみます。

原因1 離乳食から幼児食への移行がスムーズにいかなかった

5~6か月、遅くてもだいた7か月頃から、授乳だけではなくて離乳食がスタートしますね。初めは液体状のものから始めていき、子どもの成長に合わせて徐々に固形物が食べられるようにしていきます。

さらに、食べられる品目も増やしていくようにするというのが基本的な離乳食の進め方なのですが、月齢や成長に合わせた柔らかさ、量、味付け、食材など、ちゃんと考えて作るのにとっても手間がかかってしまいますよね。

そしてせっかく一生懸命作っても、赤ちゃんの機嫌が悪かったり、なかなか慣れてくれなかったりして、途中でママがやる気を失くしてしまったり、疲れてしまったり。思い当たったりしませんか?

しかし、離乳食の時期に「しっかりと食べる」ということを学習していないと、必ず幼児食になった時に偏食・少食になってしまいます。それだけではなく、こころと体の成長にも影響を及ぼしてしまうんですね。

それにしてもなぜそんなにも離乳食が大切なのでしょうか。何となく好き嫌いなく何でも食べられたほうが良いということはみなさんが思っているとは思いますが、赤ちゃんにとっての「しっかり食べる」という学習というのは、「いろいろな食材の感触や味を経験する」「しっかり噛んで飲み込む」ということなんですね。

この2点を学習出来ていないと、幼児食になってから、食べることに違和感を感じたり、上手く飲み込めなくてすぐに吐き出してしまうなどということになってしまい、ますます偏食になってしまうんです・・・。

そういえば確かに離乳食がなかなか上手くいかなかったかもしれない!でも、もう離乳食の時期が終わってしまった!どうしたらいい!?という人もいますよね。そういう場合は、調理方をより離乳食の時に近づけるように工夫すると良いと思います。

野菜やお肉は小さく、柔らかくしたり、汁ものにしたりすると子どもにとって口あたりも良く、食べやすくなるからです。そうやって離乳期と同じように、子どもが慣れてきたかなと思ったら少しずつ食べ物の固さや大きさを幼児食に近づけていけるといいでしょう。

もう○歳になってるのに・・・と思う必要はありません。子どもにとっても親にとっても、なんでも美味しく食べられるようになることが一番なのですから!

原因2 家庭環境(養育環境)

おやつはパクパク食べるけど、食事になると興味がなさそうにしたり、すごく嫌がって大泣きすることはありませんか?こういう子は「大人が食べるような美味しいもの」の味をよく知っていて、自分が食べなかったり、泣いて抵抗すれば大人が他に美味しいものを持ってきてくれるということをよく知っているんですね。

また、こういったケースはおじいちゃんやおばあちゃんとの同居家庭で育つ子どもの方がありがちです。親はなるべくお菓子ではなく、食事を優先的に進めていきたいのにと思っていても、例えば日中は親が仕事でおじいちゃん、おばあちゃんに預けているという場合。

どうしても食事の与え方がおじいちゃん、おばあちゃん任せになってしまいますよね。だからといって、おじいちゃんやおばあちゃんに「お菓子をあげるのはやめてください」とはなかなか言いづらい人もいるかと思います。

おじいちゃんやおばあちゃんの方としては、お菓子の方が喜んで食べるし、グズグズしていてもお菓子をあげるといい子になるし・・・という理由があるのかもしれないと思うとなおさらですよね。

そういった場合、まだ子どもが保育園に通っていないうちは親の方がその年齢に合っているもので、食べ慣れているおやつを事前にいくつか準備しておいて、おじいちゃん、おばあちゃんにそのおやつを食べさせてもらうようにお願いすると良いでしょう。

また、中にはあまり子どもを連れて外にお出かけをしないおじいちゃん、おばあちゃんもいて、子どもにとって運動量が少ないから食事に興味が持てないという場合もあると思います。いくら元気そうに見えても、やはりお父さん、お母さんよりも体力はないのが実情です。

そういう場合はお家の中でも体を使って遊べるようなおもちゃや遊具を用意したり、おじいちゃん、おばあちゃんにとって無理のないような遊び方だったり(お外なら、お散歩くらいなら提案しやすいかもしれません)をさりげなく話しておけると良いと思います。その際は、「~をして遊んでください」というよりも、「最近~をして遊ぶのが好きなんですよ」という風に子ども主体で話すと良いでしょう。

そして、遊んでもらったら、すごく喜んでいたことをおじいちゃんやおばあちゃんに話してあげましょう。孫が可愛いと思えないおじいちゃんやおばあちゃんはそういないと思いますから、喜ぶなら!と思ってはりきってくれるかもしれません。

また、保育園に通っていて、帰ってきてから食事の前に沢山おやつを与えすぎてしまってる場合は、保育園の先生に、「おやつの量や食べさせるものに気を付けてくださいと言われたんです」というのが良いかと思います。そして、やはりおやつは親が準備しておいたものの方が良いでしょう。

でももし、おじいちゃんやおばあちゃんが美味しいものを買ってきてくれたのであれば、食事の後のお楽しみとして食べるように習慣づけていきましょう。食事の後にお楽しみがあることで、頑張って食べよう!と子どもが思うきっかけにもなるのではないでしょうか。

原因3 生活リズムの乱れ

大人と子どもの生活リズムは違います。どんなに忙しくても、大人の生活リズムに子どもを巻き込むのは良くないでしょう。ありがちなのは、大人と同じ時間まで眠れず、遅寝遅起きのパターンです。

寝起きすぐは、まだ体もエンジンがかからないので子どもは食事を欲しがらないことが多く、しっかり目覚めるまでにしばらく時間が必要だったりします。それなのに、遅く寝たからなかなか起きれない・・・そしていつまでもぼーっとしていて食事を欲しがらない・・・もう出かける時間!!そんな感じで「朝ごはん、食べてくれなくて・・・」多いです。

ですので、保育園から帰ってきたら、まずは子ども優先のリズムで動きましょう。遅くても、夜は8時までには食事を終えられるようにしてあげたいですね。(夕食を遅く食べている場合も朝ごはんを食べたがりません)そして睡眠時間をたっぷりとって、朝すっきり目覚められるようにしてあげましょう。

たっぷり寝れていない、朝ごはんをしっかり食べていないという子は、午前中の活動になかなか意欲が持てない子どもが多いんです。生活リズムの乱れから発生する偏食や少食であれば、大人が生活リズムを整えてあげるだけで改善が見られると思います。。今一度、子どもの生活リズムに無理がないか、考えてみましょう。

原因4 調理法、食事の与え方

離乳食も順調だったし、幼児食になってからもそんなに好き嫌いはなかったのに、最近「これやだ」「これいらない」というようになって困っている場合。しっかりと食材の感触や味を覚えてきている証拠なので、順調に発育しているのだと思いますが、できるだけ何でも食べられるようになって欲しいですよね。

そういった場合は調理法と与え方を工夫してみましょう。おすすめなのは、苦手な食材を①小さくして他の食材(好きなたべもの)と組み合わせる②苦手な食材の割合を減らす③子どもの好きな味付けにするです。

そして与える際のポイントは、①量は少なめからスタートし、食べられるようになったら量を増やす②お腹が空いている時(食事の一番最初)に食べさせる③少しの量でも食べられたら褒めてあげるです。

それと平行して、「何でも食べることの大切さ」「食べることの楽しさ」が感じられるような絵本を子どもと一緒に見たりするのも良いですね。

原因5 わがまま

本当は食べられるはずなのに食べない場合。それは「食べたくないものは食べなくても良い」という中で育ってきていることが考えられます。「泣いて怒ってしまうし、機嫌を直すのは大変だから・・・」という理由で子どもの好きなものだけしか与えていたりはしませんか?

しかし、本当にそれで良いのでしょうか。子どもはこれから健やかな体と心を作っていかなければなりません。好きなものばかりを食べていたら、必ず栄養が偏ってしまって体にも心にも害を及ぼしてしまいます。

愛情を持って育てることと、甘やかすということは全く違うとおもいませんか?甘やかされて、今何もわからずに笑っている子どもの姿。それでも笑っている子どもの姿を見たいと思う大人の気持ちは自己満足でしかありません。

本当に大切なことを知らないまま育って後で困るのは誰でしょうか。それは大切な子ども自身ですよね。確かに嫌がって泣いている子どもを見ているのは切ないものですし、機嫌が悪くなるのも面倒くさいものです。

でも、大人が絶対に正しいと思うことに自信を持って子どもに接していれば、どんなに時間がかかっても、必ず子どもは期待に応えてくれるんです!「食べたがらないから食べさせない」のではなく、「食べることが出来るように、色々考えて根気強く関わる」ということが愛情であり、大人の義務だということを忘れないで欲しいと思います。

いかがだったでしょうか。お家の方が子どもの事で困っていたり、悩んでいることってだいたい同じようなことではないでしょうか。どんなに良い子見える子でも、皆さん必ず何かしら心配したり、悩んでいるものです。そしてまさに悩むこと、子どもにとってしてあげられることはないかな?と考えるということ自体が親の愛情であると私は思います。

ですので、「うちの子って・・・」と1人で悩みを抱え続けるよりは、同じようなお子さんを持つ周りの人や、保育士・幼稚園の先生など、積極的に相談してみて下さい。そんな素敵なお父さん・お母さんが増えてくれることを願っています!

ママ・パパの準備・対策カテゴリの最新記事