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保育園に入園してからの悩みごと&解決法(後編)トラブルや行きたがらない、ぐずることへの対処法

保育園に入園してからの悩みごと&解決法(後編)トラブルや行きたがらない、ぐずることへの対処法

保育園に入園してからの悩みごと&解決法(前編)病気や言葉遣いへの不安を解決!の続きとして、保育園に入園してからの悩みごととその解決法(その2)、悩みごと③「お友だちとのトラブル」から、その内容と解決法をお話していきたいと思います。これを読んで、みなさんの悩みごとが少しでも解消できるといいなと思います。

悩みごと③~お友だちとのトラブル(手を出されたなど)

保育園での生活に慣れてくると、徐々に増えてくるのが「お友だちとのトラブル」ではないかと思います。
特に、第一子を保育園に預けるお家のひとの場合は、わが子が保育園のお友だちに「叩かれた」「押された」などの行為をお友だちに初めてされた時は「どうしてうちの子が!?」と驚いてしまうのではないでしょうか。

特に、1~2歳児に多い「かみつき」や「ひっかき」は噛み後や傷跡が残りますし、お家の方には本当にショックを与えることと思います。
もちろん、保育士からは、注意不足で事前にくい止めることができなかったことについて謝罪があるとは思いますが、そもそもどうしてそんなことになってしまうのかということも気になると思います。

けんかやトラブルの理由は?

年齢が低く気持ちを表現できないから

その理由の1つとして考えられるのが、「まだ年齢が低く、自分の気持ちを上手く言葉で表現出来ないから」ということです。保育園に入園する年齢というのは、0歳から3歳の間にもっとも集中するかと思います。

3歳近くになった子どもが色々な言葉を話せるようになったとしても、自分の気持ちを言葉を使って相手に伝えることはまだ上手ではありません。ですから、自分の不快な気持ちを相手に伝える手段として叩いたり、押したりあるいは噛んだり、引っかいたりと手をしまうのです。

集団生活の経験が浅いから

そしてもう1つの理由として考えられるのは、「集団生活が始まったばかりで、子ども同士のやりとりの経験が浅いから」ということです。今までは大人と一緒に過ごしていたので、自分の思い通りに行くことが多かったと思います。でも保育園ではなかなか自分の思い通りにいきません。そんな時、どうやって伝えたらよいのかわからず、手がでてしまうことがあるのです。

保育園に入園してまだそれほど時間が経っていない場合、この2つがお友だちに手を出した、出されたというトラブルになる主な理由ではないかと思います。簡潔に言えば、どの子もまだ幼く、集団生活に慣れていないということです。

大人がしっかり伝えてあげることが大切

しかし、だからといってお友だちを傷つけてしまうことは良くないことです。そのことは、どの子にもしっかり伝えていくのが大人の責任です。

また、自分の気持ちを言葉で伝える方法も教えてあげることも必要です。そして同時に、トラブルを通して、お互いの気持ちに気付き、思いやりが持てるようになるように教えていかなければなりません。

そのためにはトラブルになった経緯を知り、大人の介入が必要になります。ですのでもしも保育園でお友だちとトラブルが起こったと聞いたら、そこに至る経緯を担任保育士からよく聞いておきましょう。

お友だちとトラブルになる場合、ほとんどにその原因があるはずです。(まれに0、1歳児はただ近くにいただけという理由で噛んだり噛まれたりがありますが・・・。)
もしかすると、自分の子どもは手を出していないとしても相手が嫌な気持ちになるようなことを言ってしまったり、してしまったりしている場合もあります。

もちろん、されたことに関しては「嫌だったね」「痛かったね」と子どもの気持ちに寄り添ってあげて下さい。
でもその上で、「~ちゃんはどうしてそんなことをしたのかな?」とか、「~ちゃんも嫌な気持ちになったのかもしれないね」などと、子どもの言葉や行動を一緒に振り返り、相手の気持ちにも気付けるようなお話が保育園でだけではなく、親子でもできるといいなと思います。

そのような経験を繰り返し積むことにより、次第にお友だちと仲良く遊ぶ方法やルールを覚えていきます。大人はけんかやトラブルはマイナスなものと捉えがちですが、「ケンカするほどなかが良い」と昔から言うように、お互いを理解する上で必要な出来事でもあります。

すぐにどちらが一方的に悪いと白黒をつけるのではなく、ケンカやトラブルを通して子ども同士がお互いの気持ちにも気付いていけるように、大人は子どもにお話をしてあげることが大切です。

悩みごと④~保育園に行きたがらない

保育園に入園したばかりの頃は、毎日といっていいほど登園時に保育園の玄関で「ママがいい~!」といって泣く子どもがほとんどかと思います。しかしそのうち保育園にも慣れてきて、泣かないで登園できるようになります。

「やっと朝泣かないで保育園に行けるようになって良かった~」と思っていたのに、それから1か月くらいたってまた、「保育園に行きたくない!」というようになってしまう子どもがいることがあります。

「えっ?泣かないで保育園に行けるようになったのにどうして?」と思いますよね。そして「どうして保育園に行きたくないの?」と子どもに聞いても特にこれといった答えがなかったり、担任保育士に聞いても、保育園で泣いたりつまらなそうな様子もない・・・。

でも朝になると必ず、「保育園やだ~!」が始まる。出来れば「保育園楽しい!」といって喜んで通ってくれるようになって欲しいですよね。こんな時の子どもの気持ちをいくつか考えてみましょう。

保育園に行きたがらない理由は?

慣れない集団生活に疲れている

まず1つ目に考えられることは、「保育園での慣れない集団生活に疲れてしまった」ということです。今までお家でマイペースに過ごしてきた子どもにとって、初めての集団生活はとても疲れます。それで、「ちょっぴりお休みしたい」ということなのでしょう。

お家での生活が懐かしくなった

そして2つ目は、「保育園は楽しいけれど、お家での生活が懐かしくなった」ということです。1つ目と似ていますが、違うところは疲れたのではなくて「前に戻りた~い」という気持ちになったということです。

ママやパパと一緒にいたいから

そして3つ目ですが、これはある特定の日にちになると「保育園いきたくない!」という子どもの主張が強くなります。
その特定の日にちというのは、「ママあるいはパパがお仕事がお休みの日」です。子どもって、その辺敏感に感じますから・・・。「ママやパパと一緒にいたい!」ということなのでしょう。

もしもこの3つの理由のどれかに当てはまる場合、休めるのであればとりあえず1日休んで子どもの気持ちに寄り添ってみることをおすすめします。そのうえで、お家にいるときでも時々保育園のことを思い出せるような会話が出来ると良いでしょう。

特別保育園に嫌悪感のある子どもでなければ、1~2か月間の間に保育園の楽しいところもちゃんとわかっているものです。
「今頃おやつの時間だね。みんな何食べてるかなあ」とか、「~ちゃんがお休みしたから、~先生やお友だちが心配してるかもしれないね。」などの会話が出来ると良いと思います。

3歳児以上では?

そして、子どもが3歳児以上であれば「~ちゃんは大きくなったから、保育園に行けるようになったんだよ。だからママもお仕事がんばらないとね!」ともうお兄ちゃん・お姉ちゃんになったことを伝えたり、まだ0~2歳児さんであれば「ママも~ちゃんと一緒にいたいよ。またお仕事がお休みの日に沢山遊ぼうね!」と子どもと約束してあげて欲しいと思います。

それでももしかしたら、しばらくの間「保育園行きたくない!」というかもしれません。でも、お家のひとが子どもに「保育園に行く理由」をお話したり、「お休みの日はちゃんと家族で過ごせる」などということがわかっていると、休みたい気持ちをグッとこらえるための励みにもなります。

入園後少し経ってからの「保育園に行きたくない!」には、このように少し複雑な子どもの気持ちが伺えます。逆を考えると、それだけお家での居心地が良いのでしょうね。こんな時は焦らず、子どもが納得して保育園に通えるようにサポートしてあげましょう。

悩みごと⑤~保育園に迎えに行くと、グズグズしている

1日じゅう働いて、「疲れた~」と思いながら保育園に子どものお迎えに行くと泣いてお出迎え。抱っこすると絶対に離れようとしない。少しでも離そうとするとさらに号泣。そんな姿、保育園でよく見かけます。

やっぱりまだまだスキンシップが必要な0,1,2歳児さんが多いですね。そしてやはり、長時間保育園に預けられている子どもにその傾向が強いように思います。保育園って子どもにとってはとても安全な場所ですが、特に幼い子どもにとっては「ママ」「パパ」という安全地帯にはかなわないんですよね。

ましてやまだ入園してから間もないですから、保育園が絶対安心というわけではなく、幼い子どもながらにかなり気を使っていて、想像以上に疲れています。お迎えが来るのか不安ですし、その1日の疲れや不安が、ママやパパの顔を見た瞬間爆発するのでしょうね。

スキンシップをとって安心させてあげよう!

ママやパパもお仕事で疲れているでしょうけれど、その気持ちを受け止めて、出来る限り抱っこしたりとスキンシップをたくさんとってあげて、甘えさせてあげて下さい。子どもも安心できるようになると、少しずつ抱っこしていなくても気持ちが落ち着いてくるかと思います。

お家に帰ってからは、安心して過ごすことが出来る子どももいるでしょうし、もしかするとグズグズが続きがちな子どももいるかもしれません。疲れや不安からの甘え以外にその理由として考えられるのは、お腹がすいた・眠たいなどの生理的欲求不満です。

なるべく早く、食事やお風呂を済ませて早めに寝かせてあげられると良いですね。ママやパパも疲れているでしょうけれど、ここで頑張ると、夜の時間が有効に使えますよ!

健康チェックを欠かさずに

しかし、いつまでもグズグズ機嫌が悪かったり、食欲がなかったりした場合は要注意です。

熱がないか、鼻水や咳はしていないかなど健康チェックをしてみて下さい。特に、0,1,2歳児さんは感染症にかかりやすいですので、そういった症状がないか確認し、明日病院に行く準備も念のためしておくと良いと思います。かかりつけのお医者さんが休診じゃないかなど、調べておくのも忘れずに!

幼い子どものグズグズの理由って本当にわからないことが多いですよね。特に、日中ほとんど保育園に預けている場合はなおさらだと思います。ですので、お迎えに行った時は保育士に変わった様子はなかったか、流行っている病気はないかなどを訪ねたり、連絡ノートで確かめたりしましょう。

保育園での生活にだんだん慣れるのと同時に、子どもも心身ともに大きく成長していきます。「ママ~」「パパ~」とグズグズ泣いて甘えてくる時期も今だけなんだろうなあと思うと少し頑張れたりもしませんか?卒園式の頃にはきっと、この時期が懐かしいと思うようになりますよ。

まとめ

最後にまとめとして、悩みごと③~⑤についてのチェックポイントと解決法をお話したいと思います。

■悩みごと③お友だちとのトラブル(手を出されたなど)

  • 低年齢であり、集団生活に慣れていないから言葉ではなく手が出てしまう。
  • 園でもお家でも、トラブルを通してお友だちとの良好な関係を築けるように大人が介入する。

■悩みごと④保育園に行きたがらない

  • 休めるのであればとりあえず1日休んで子どもの気持ちに寄り添ってみる。
  • 3歳児以上であれば、大きくなったから保育園に行くということを伝える。
  • 0~2歳児であれば、お休みの日に沢山遊ぼうねと約束をしてあげる。

■悩みごと⑤保育園に迎えに行くと、グズグズしている

  • 抱っこしたりなどスキンシップを沢山とって甘えさせてあげる。
  • 早めに生理的欲求を満たしてあげる。
  • 具合が悪くないか、健康チェックをする。

以上、保育園に入園してからの悩みごととその解決法(その2)でした。ようやく保育園にも慣れてきたかな~と思っていた時に、思いもよらぬ出来事に驚いたり悩んだりすることってあると思います。この記事が、そんな時の解決法のひとつになれたらいいなと思います。

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