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保育園に入園する前に保護者が不安に思うことの解決法を現役保育士がアドバイス!(前編)

保育園に入園する前に保護者が不安に思うことの解決法を現役保育士がアドバイス!(前編)

この4月からいよいよ保育園に入園!でも実際保育園ってどんなところ?親が通っていた頃と今とは違うのかな?そして何よりうちの子、お家と離れて保育園でちゃんと過ごしていけるかな?

これからいよいよ始まる保育園生活。親も子供も初めての生活がスタートします。楽しみに思うこともあるけれど、最初はやっぱり不安や心配の方が大きいですよね。そんな保育園入園前の保護者の方から実際によく聞かれる不安や心配ごとと、それについて保育園でしているアドバイスついて紹介したいと思います。

まずは、「保育園ってどんなところ?」

まず、お家の人が子どもを保育園に入園させたい!と思うのは、これから仕事を始めるからという理由が一番多いのではないでしょうか。では、実際保育園ってどんな施設なのでしょう。少し専門的なことを話しますと、保育所は厚生労働省の保育所保育指針によってその役割を定められている児童福祉施設です。その役割とは簡単に大きく4つあります。

  1. 保育に欠ける(親や家族が病気や就業のため)子どもの保育を行う。
  2. 保育士と子どもの家族とが協力して保育園で子どもの養護及び教育を行う。
  3. 保護者の子育て支援及び地域の子どもの子育て支援を行う。
  4. 保育士は子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対して保育に関する指導を行う。

これをもっとわかりやすく説明すると、保育園は仕事や病気などの理由で家庭で養育出来ない子どもを預かり、保育士とその保護者とが協力して子育てを行うことを目的としている施設ということなのだと私は解釈しています。

ですので、子どものことで不安なことや心配なことがあったら何でも保育園に相談しても良いですし、反対に子どものことについて保育士に聞かれたら、お家での様子をきちんと伝えて欲しいと思います。

そうやって保育園と保護者とが協力して子どもの健全な成長のために力を注いでいくことが子どもにとって大切です。また、心に留めていて欲しいのは、保育園という施設は確かに就業している保護者が利用する施設ではありますが、保護者のためだけの施設ではないということです。

責任のあるお仕事に就いていらっしゃる保護者の方は特に、仕事と子育てのバランスを考えながら生活することが不可欠ですよね。その点についても保育士と相談しながら、協力して育児をして頂くことが大切だと思います。

それでは保育園入園前の不安や心配ごととそのアドバイスについて、具体的にお話していきたいと思います。

不安①「保育園に行きたくない!と言われたらどうしよう・・・」


保育園に入園した子どもは生まれて初めてお家の人から長時間離れて過ごす生活が始まります。余程小さい赤ちゃんでない限り、必ず最初は親から離れた不安と悲しみでいっぱいになり、登園の際は「いやだ~」と言って大泣きしたり、なかなか離れようとしないことでしょう。

お家の人がいなくなってからも、しばらく「ママは?」と保育士に聞いたり、「お家に帰りたいよ~」と言ってグズグズする子がほとんどです。そして後でお家の人が迎えにくると、安心して保育士にさよならをして帰っていき、そしてまた次の日の朝、登園の時には離れるのが嫌で、泣いてしまうということが数日繰り返されるでしょう。

この子どもの様子は当たり前のことですので、全く心配はありません。今までずっと一緒だった安心できる存在が近くにいなくなって不安だから泣いているのです。しかし、子どもなりに保育園生活のことが分かってきたり、保育士に親しみを感じ、安心できるようになると、次第に不安は小さくなっていきます。

もし子どもが3歳以上であれば、毎日「おやつを食べて少し遊んだらお家のひとがお迎えにくる」などの先の見通しが立つようになると、安心感が持てるようになりますので、登園時にはお家のひとが、そのようにお話をしてあげると良いと思います。

また、お家でも「困ったことがあったら先生に言えばいいんだよ」とお話してあげて下さい。子どもが「お家ではママだけど、保育園では先生」というように、今まで安心できる存在だった大人(例えばママ)の代わりの存在を見つけることが保育園に安心して通えるようになるためには必要だからです。

なお、子どもが登園時に泣いてしまうという状態は、子どもによっては3日位で落ち着いてくることもありますし、長い子は1か月位続いてしまうなど、性格によって個人差があります。

中には、最初全然泣かずに登園できたのに、1週間後から突然泣き出したり、保育園に行くのを嫌がる子どももいるかと思います。こういった子どもは、最初は初めての生活が嬉しくてわくわく楽しかったのに、だんだん保育園では自分の思い通りにならないということが分かって来てきて登園を渋る傾向があります。

どちらの子どもにせよ、保育士は子どもたちが安心して保育園で生活できるようになることと、それぞれの子どもが保育園で好きな遊びを見つけて楽しく過ごしてくれることを望んでいますので、お家の人は子どもがお家でどんなことをして遊ぶのが好きだったのかということを保育士に伝えてあげて下さい。

また、まだ入園して間もない頃の子どもは特に、精神的にも肉体的にも疲れやすく不安定で急な生活リズムの変化にとても弱いです。お家の人が可能であれば、最初は保育園で生活する時間は短くし、だんだん伸ばして通常保育にしてあげたほうが子どもへの負担が少ないでしょう。

そして、早くお迎えに行くこと以外は、子どもが生活に見通しが持てるように、しばらく登園時間と降園時間はいつも同じ位の方が良いと思います。こうして、丁寧に新生活をスタートさせてあげると、だんだん保育園での生活を楽しめるようになっていきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

不安②「集団行動できるかな?」

核家族が増えた今、保育園に入園するまでは昼間お家でママあるいはパパと2人きりで過ごしていたという子どもはとても多いです。しかも、長男・長女である場合は特に同じ位の子どもと過ごす時間もほとんどないので、突然大勢の子どもと一緒に過ごすことが出来るのだろうかと不安になりますよね。

0,1,2歳児さんですと、発達の面から考えて、子ども1人当たりの保育士の数が比較的多いのでそこまで心配になることはないかもしれませんが、3歳児クラスになると、保育士1人で20人の保育を担任することになります。

今までお家では1対1ですから、それを考えると本当に心配になると思いますが、発達の面から考えると3歳からが集団生活を経験し、学習するのが一番丁度良い時期と言われているのです。

じゃあ3歳までは?と言いますと、「親や身近な人たちと基本的な信頼関係を築くこと」と、「基本的な生活習慣の自立」が一番大切で、3歳からはそれを基盤として今度は同年代の子どもたちと生活し、「社会との関わりを学習し、広げていく」という段階に入ったということになります。

というわけで、0,1,2歳児クラスは保育士が大勢必要だけれど、3歳児クラスになると一気に1人当たりの保育士に対する子どもの数が20人に増えるというわけなんですね。つまり、3歳になると子ども自身も身近なひとたちとだけのやりとりに物足りなさを感じてくるのです。

なので、最初は集団の中に入ってみんなと同じように行動出来ていないように見えても、子ども自身が保育園で生活していく中で、みんなと同じように行動しないといけない時があるということを理解して行動をしようとするようになるので心配しなくても大丈夫です。

確かに中には生まれつき集団生活が苦手な子どももいます。でも、そういう子でもやっぱりクラスの一員としての自分でいたいですし、お友だちが大好きなんです。保育士はそこら辺をよくわかって保育をしていますので、その子なりの成長を温かく見守ってあげられたらと思います。

不安③「お友だちができるか心配」

保育園に入園した年齢によってまた違ってくるかと思いますが、この不安は比較的2歳ころから入園したお家のひとが不安に思うことなのではないかなと思います。子どもの個性や性格も出てきて、ある程度お家の人ともやりとりできるようになると、保育園のお友だちと仲良くできるかどうかも気になってきますよね。

0,1歳児クラス

0,1歳児クラスだと、小さいころから一緒に保育園で育っていますので、お互いが側にいることが当たり前のような関係を築いているような気がします。そこら辺は家族と似ているような、お友だちなんだけど、兄弟みたいな近い存在に思えるみたいです。保育園で過ごしているうちにだんだんそうなっていきますので大丈夫ですよ。

2歳児クラス

2歳児クラスになりますと、少しずつ好きなお友だちという存在が出てくるようになりますが、まだ一緒に遊ぶというよりも一緒に行動したり、近くのお友だちにちょっかいを出してみたりというような関わり方しか見られません。でも、そうし合っているのが楽しいみたいです。

ですので、新しいお友だちが入園してきても、一緒に遊ぶというよりはまずはその子のことが気になって「~ちゃんが~してるよ!」と保育士に報告にする子どもがいたり、保育士が子どもたちと一緒に遊びながらその子のことをみんなにわかってもらっていくという形が多いと思います。

そうやって次第にクラスの仲間としてみんなに受け入れられていくことで、だんだんひとりひとりの子どもとの関わりも増えていきます。なので、2歳~3歳くらいの子どもが入園してからしばらく、仲良しのお友だちの名前をたとえ話さないとしても、心配はないと思いますよ。

3歳児クラス

3歳児クラスになりますと、今まで保育園に通っていた子はだいたい気の合うお友だちと過ごす様子が見られますが、遊びが変化すると遊ぶお友だちも変わるなどして、流動的なことがあります。

今までいたお友だちの中には、新しいお友だちにも興味を示して、親切にいろいろ教えてくれようとする様子も見られますが、基本的にはまだ自分のことが優先なので、自分の好きな遊びを楽しんでいることがほとんどでしょう。

保育士は今までいたお友だちと新しく入園したおともだちとが関わりを持てるように、好きな遊びを楽しんでいるお友だちの側に新しいお友だちを連れてきてみんなで同じ遊びを楽しめるようにしたり、新しいお友だち数人で同じ場で遊んだりするようにします。

そういうことを繰り返しながら、好きな遊びを仲立ちとしてお友だちが出来るように配慮していきます。また、保育士は一緒に遊ぶ様子を観察しながら、気が合いそうな様子があれば生活の中でも関わり合える環境を作るなどして、お友だちとの関わりがさらに広がるようにするでしょう。

そうやって次第に関わりが深まっていくようになると、お友だちが出来ていくと思いますので、あまり心配せずに、お家に帰ったら保育園でどんなことをしたのかなどを聞きながら子どもとお友だちとの関係を見守ってあげると良いと思います。

まとめ

最後にまとめとして、①~③の各不安について、保育園でしているアドバイスのチェックポイントを整理したいと思います。

不安①「保育園に行きたくない!と言われたらどうしよう・・・」

  • 入園してから数日間は、ほとんどの子どもが不安で泣くものである。
  • 必ず迎えに来ること、迎えに来る時間を伝えてあげると安心する。
  • 途中から行くのを渋る子もいるが、慣れるまで根気強く見守る。
  • 毎日同じ生活リズムを保つようにする。

不安②「集団行動できるかな?」

  • 園生活に慣れ、楽しく過ごせるようになると自然に身についていく。
  • 集団行動が苦手な子どももいるが、その子のペースを理解し見守る。

不安③「お友だちができるか心配」

  • 園での生活やあそび、保育士の配慮により次第にお友だちは出来ていくものである。
  • 子どもの園での話に耳を傾け、お友だちとの関係を見守ってあげる。

以上、保育園に入園する前に保護者が不安に思うこと(前編)でした。次回は続きとして保育園に入園する前に保護者が不安に思うことの解決法を現役保育士がアドバイス!(後編)の不安④「給食はたべられるかな?」からお話しますのでまた参考になってくれたらと思います。

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