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保育園に入園する前に保護者が不安に思うことの解決法を現役保育士がアドバイス!(後編)

保育園に入園する前に保護者が不安に思うことの解決法を現役保育士がアドバイス!(後編)

保育園に入園する前に不安に思うこと(前編)では、不安①「保育園に行きたくない!と言われたらどうしよう・・・」不安②「集団行動できるかな?」不安③「お友だちができるか心配」の3つに関してお話してきました。

今回の保育園に入園する前に保護者が不安に思うこと(後編)では、不安④「給食をちゃんと食べられるかな?」不安⑤「おしっこが出そうな時、ちゃんと言えるかな?」不安⑥「1人でお昼寝出来るかな?」の3つの不安に関してお話したいと思います。お家の方の参考になれば幸いです。

不安④ 「給食をちゃんと食べられるかな?」

保育園に入園すると、お昼はほぼ毎日、保育園に勤務する栄養士さんや調理師さんが作ってくれる給食を食べることになります。この給食、子どもにとって必要な摂取カロリーが計算されているし、栄養バランスも摂れているので何でも食べられる子にとっては最高の食事なのですが・・・

好き嫌いが多かったり、お家であまり色々な品目を食べず、好きなものをたくさん食べてきた子どもにとっては乗り越えなければならないことが多いと思います。

好き嫌いが多い子どもだと給食の時どうなる?

例えば好き嫌いの場合。お家では子どもが喜んで食べてくれることを考えてお料理するお家の方がほとんどだと思いますので、あえて嫌いな料理を出すことって余りないですよね?

そしてもし作った料理の中に嫌いな食べ物が入っていたとしても、「必ず全部食べなくてはいけない」というほど好き嫌いに関して厳しくしつけているということは少ないと思いますし、小さいころからそのようにしつけてきている家庭の子であれば、保育園に入る前に好き嫌い自体をしない子になると思います。

ですので好き嫌いがある状態で保育園に入園すると、まず用意された給食を見て、「お家で食べているのとは違う!!」となるわけです。そしてなかなか食事が進まない・・・。でもお腹は空いているし、でもでも美味しそうじゃない・・・。でも先生は食べてねって言うし・・・。でも食べられないよ~(泣)

ということで、給食に対して苦手意識を持つようになります。また、お家で食べている料理の味付けが偏っている子(どこの家庭でも好きな味付けってありますから、そういった場合も含めて)も、保育園で出される色々な味に慣れるまでは、「何この味!食べたことがないよ~」となることが多くて慣れるまで時間がかかるといえます。

褒めて認めてあげることが大事!

でも、保育園では少しでも嫌いなものがなくなるように、何でも食べられるようにと毎日一生懸命子どもにあの手この手を使って試したり励ましたりしています。ですので、保育園で「今まで苦手だったのに、食べてくれるようになりましたよ!」という報告がありましたら、頑張って食べたことを褒めてあげて下さいね。

なぜなら、「苦手だけど少しずつ食べられるようになっている」という経験を子どもが積み重ねていくことと、それを励ましたり、褒めて認めてあげることが給食が苦手な子が克服していくことについてとても大切だからです。

入園してしばらくの間は「好き嫌いの多い子はお家に帰ってくるころにはすごくお腹が空いている」という子が多いと思います。ですので「何だか最近お家に帰ってきてからよく食べるなあ~」と思う場合は保育園の給食をちゃんと食べられているのかな?と考えるきっかけにもなります。(単純に成長期ということもあります。)

そしてぜひ子どもと一緒に毎月保育園から配布される「給食だより」を子どもと一緒に見てみて下さい。できれば前の日の夜に「明日の給食は~だね。」とお話できると良いと思います。

きっと子どもが見たり食べたりしたことがない料理もあると思いますので、そういった場合はどんなものか子どもに教えてあげたり、お家で食べてみる機会を作ってあげると、給食で出てきても、「昨日ママと話してた食べ物かな?」と親近感を持てたり、「あ、これ食べたことある~!」と思って安心して食べられることもあると思います。

白米の量にも気を付けて!

もう1つ、少食の子は、お弁当に入れて持たせる白米の量にも気を付けてあげましょう。3歳児の1回のお弁当に入れる白米の目安はだいたいの目安は100gほどですが、担任の先生と相談して初めは80g位にしてあげると給食を完食することが出来るからです。

そうやって、親と担任保育士が協力をして手助けしてあげることが、子どもの給食に対する苦手意識の克服に繋がっていくと思いますのでぜひ実践してみてもらえたらと思います。なお、担任保育士には事前に苦手な食べ物やいつもどれ位お家で食べているのかなどを伝えておくと、保育士の方も対応しやすいですので、伝えておくと良いでしょう。

不安⑤ 「おしっこがでそうな時、ちゃんと言えるかな?」

この不安は特に入園前におむつが取れたばかりだったり、緊張しやすい子どもだったりする場合に多いと思います。保育園では主に活動の合間にトイレに行くように子どもたちに促しますが、おむつが取れたばかりの子どもは他の子に比べてまだ排尿間隔が短いので、自分でおしっこがでそうな時にはトイレに行かないと失敗してしまう恐れがあります。

また、緊張しやすい子どもは保育園での新しい生活、雰囲気、人間関係などあらゆるものに対して慣れるまでに時間がかかりやすいといえるでしょう。ですので慣れるまで、自分の思ったことやしたいことなどをなかなか保育士に伝えることが出来ません。また、緊張のせいでおしっこに行きたくなる回数が増えることもあります。

そのことを踏まえると、そういった子どもの場合は特に「おしっこに行きたいって先生に言えるかどうか」ということは不安になると思いますので、何よりもまずは担任保育士にそういった子どもの現状や性格について話しておくことが大切でしょう。さらに子どもには「おしっこが出そうになったら先生に言えば良い」ということを、繰り返し話しておき、習慣づけておくと良いと思います。

保育園のトイレに慣れる手伝いをしてあげよう!

また、朝の登園時や帰りの降園時にお家の人と保育園のトイレに行くことを子どもが保育園のトイレに慣れるまで行うと良いでしょう。まだ1人で保育園のトイレに行くのが怖い子どもにとってはお家の人が側にいてくれるだけで心強いですし、排尿間隔の短い子どもにとっても朝や帰りにトイレに行っておくと、安心して保育園の活動やお家に着くまでの間過ごすことが出来るのではないかと思います。

排便(うんち)の場合も同様に、保育園のトイレに慣れるまでなかなか保育士に出そうなことを言えない子どもも中にはいると思います。そういった場合は、保育士に保育園に登園する前はいつ排便があったのかを伝え、給食後や子どもの様子がいつもと違う(排便前によくみられる仕草が見られるなど)などが見られたら、トイレに連れてってもらうようにお願いしておくと良いでしょう。

こういった子どもの場合は最初は保育園での排尿や排便の失敗が多くみられるかもしれませんが、成長と共に排尿間隔は長くなっていきますし、保育園の生活に慣れ、緊張せずに保育園で生活できるようになれば徐々に改善されていくものと思って長い目で見守っていきましょう。

不安⑥ 「1人でお昼寝出来るかな?」

今までお家で過ごしてきた子どもにとって、広いお部屋やお遊戯室などでお友だちと布団を並べてお昼寝するということは全くもって初めての経験ではないかなと思います。食事やトイレを他の施設で他の人と一緒になることはあっても、大勢でお昼寝することってなかなかないですよね。

なので、新入園児さんはほとんどの子がお昼寝の時間になると不安になってしくしく泣いてしまいます。お家なら、誰かが側に寄り添ってくれて安心してお昼寝出来ていたのですから、当たり前ですよね。

もちろん保育園でも泣いている子の側に保育士が寄り添って背中をトントンしたり、優しく頭やおでこをなでたり、抱っこしたりして安心して眠れるように配慮をします。そうやって数日過ごしているうちにだんだん慣れて1人でも眠れるようになっていく子どもがほとんどです。

なかなかお昼寝に慣れない子どもには?

しかし、中にはなかなか慣れない子どもやなかなか眠れない子どももいます。ですのでもし、入園したばかりで1人でお昼寝ができるか不安に思ったら、担任保育士に「いつもどうやってお昼寝しているか」や、「眠る時に必ずするクセや習慣」を話しておくと良いと思います。

そうすることで、担任保育士が新入園児さんが出来るだけお家で寝ている時と同じ様に環境を整えてあげたり、眠りやすいように配慮することが出来、子どもが安心してお昼寝が出来るようになると思います。

また、子どもが好きな寝具(お布団、毛布)にしてあげて楽しい気持ちでお昼寝できるようにしたり、毛布の季節には「触り心地の良い毛布」があると良く眠れる子もいます。「お昼寝の後は美味しいおやつがあるよ」ち言ったり、「寝て起きるとお迎えだよ」とお昼寝のあとにはお楽しみがあることがわかっていると効果的だったりしますので、お家でもぜひそんな風に言話してあげて下さい。

もし、「保育園に入園してから、お家に帰ってくるとグズグズしたり、すぐに眠ってしまうようになった」という場合はお昼寝をしっかり出来ていない可能性がありますので担任保育士に聞いてみるとよいでしょう。

お昼寝は必ずしないとダメ?

「お昼寝は必ずしないとダメ?」と思うかもしれませんが、子どもが小さければ小さい程お昼寝はやはり、しっかり出来たほうが良いと思います。なぜならしっかりお昼寝が出来ないと、なかなか子どもの生活リズムが整わないからです。お昼寝がしっかり出来ない子どもが陥りやすい良くない生活リズムは・・・

「お家に帰ってから1時間位寝る」→「夕ご飯やお風呂で起きる」→「夜なかなか眠れない」→「朝なかなか起きれず遅くまで寝てる」→「遅く登園」→「午前中は頭と体が働かない」→「眠くならず、なかなかお昼寝が出来ない」・・・が繰りかえされてしまいます。

このリズムに陥ってしまうとなかなか元に戻れず親も大変ですし、子どもの成長にとっても良くないのですね。ですので出来るだけお昼寝はしっかり出来るようになって欲しいです。もし、「うちの子、このリズムになっているなあ・・・」と思ったら、早めに改善できるところから直してあげるようにしましょう。

まとめ

最後にまとめとして、④~⑥の各不安について、保育園でしているアドバイスのチェックポイントを整理したいと思います。

不安④「給食をちゃんと食べられるかな?」

  • 好き嫌いがある子は、「苦手だけど少しずつ食べられるようになっている」という子どもの姿を褒めて認める。
  • 「給食だより」を子どもと一緒に見る。
  • 少食の子は、白米の量お調節してあげる。
  • お家での様子を担任保育士に伝える。

不安⑤「おしっこがでそうな時、ちゃんと言えるかな?」

  • 担任保育士に、子どもの現状や性格について話しておく。
  • 子どもに、おしっこが出る時は先生に言うことを話して聞かせる。
  • 登降園の際、お家の人と保育園のトイレに行き、慣れるようにする。

不安⑥「1人でお昼寝出来るかな?」

  • ほとんどの子どもはだんだん慣れて、1人で眠れるようになる。
  • お家で寝る時の様子、クセ、習慣を担任保育士に話しておく。
  • お昼寝出来ないことが原因で生活リズムが崩れたら、早めに改善するようにする。

今回は不安④「給食をちゃんと食べられるかな?」不安⑤「おしっこが出そうな時、ちゃんと言えるかな?」不安⑥「1人でお昼寝出来るかな?」の3つの不安に関してお話してきました。

生活習慣のことがほとんどでしたが、保育園に入園してしばらくは、今までお家では出来ていたことが保育園では出来ないということもあるかと思います。そのほとんどはやはり子どもが保育園の生活に対して、お家の人と同じように不安と緊張でいっぱいだからではないでしょうか。

その気持ちを子どもと共有しながら、焦らず少しずつ慣れていくことが、この先ずっと保育園に安心して通えるようになるためには遠回りのようで一番の近道になるかと思います。不安や緊張を乗り越えて、親子で楽しく保育園生活を送れるように、応援しています。

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