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もうすぐ進級!保護者の方からよく聞かれる進級に関する心配や不安の内容とそのアドバイス(前編)

もうすぐ進級!保護者の方からよく聞かれる進級に関する心配や不安の内容とそのアドバイス(前編)

4月から始まったクラス活動も3月でひとまず終わり、もうすぐ新しい学年へと進級になりますね。4月の頃は朝いつも泣いていたのに、今ではすっかり笑顔でお家のひとにバイバイ出来るようになり、クラスでの生活にも慣れて楽しんで保育園に通えるようになった子どももいるのではないでしょうか。

そんな子どもの姿にホッとしていたけれども、4月になると進級とともに新たにクラス替えがあったり、担任の先生が変わるなどして、環境の変化があることに不安や心配を抱えているお家の方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、保育園に通う保護者の方からよく聞かれる進級に関する心配や不安についての内容とそのアドバイスをお話していきたいと思います。お家の方の不安や心配が少しでも和らぎ、子どもと一緒に進級を楽しみに出来るようになるといいなと思います。

不安① 仲良しのお友だちとクラスが離れてしまっても大丈夫かな

子どもにとって、もちろん楽しいこともあるけれど、不安になったり困ったりすることもある保育園生活。でも、大好きなお友だちと毎日一緒だから、乗り越えていけることも多いですよね。

どの子も色々なお友だちと関わりながら生活しますが、特にすごく仲良しのお友だちがクラスにいて、その子と毎日過ごすことを楽しみに保育園に通っていた子どももいることと思います。

その姿にお家のひとも安心して毎朝送り出していたけれど・・・。もし、仲良しのお友だちとクラスが離れてしまったら、この子は誰と一緒に過ごすんだろう?遊んでくれる子はいるのかな?仲良くできる子はいるのかな?今まで仲良しだった子とはもう遊ばなくなるのかな・・・?と不安になりますよね。

出来ることなら、次の学年も仲良しの子と同じクラスにして欲しい。と願うお家の方は多いと思います。しかしながら、保育園としてはやはり、クラス替えは1人1人の子どもたちの成長を考えてバランスよく考えなければいけないものなので、なかなか保護者の要望通りには応えることが出来ないものであることを理解しておいて欲しいです。

これまではどうだったか振り返ってみましょう!

そうはわかっていても、大丈夫かな?と不安になる気持ちもわかります。でも、少し時間をさかのぼって振り返ってみましょう。では今仲良くなったお友だちとはどうやって仲良くなっていったのでしょうか。

1年前も今と同じ気持ちではありませんでしたか?「お友だちができるかな?」と不安だったと思います。しかしながら、子どもたちは保育園での生活を共にして関わり合いながら、だんだんお友だちと仲良しになっていきましたよね。

しかも、1年前に入園した子どもであるならば、この1年を通して友達をつくることを経験しています。確かにそのような子どもにとっても、また新たに友達を作ることに少し不安もあることと思いますが、その経験は自然に学習していることですし、必ずその経験を生かしてまた友達づくりをすることが出来ると思います。

そして、保育園での生活にも慣れて、様々な活動を通して確実に自分に自信もついていることでしょう。機会があるならば、担任保育士とこの1年間で成長したことについて話し合ってみて下さい。「~ちゃんは~がとっても上手になりましたよね」とか、「最近はこんなことを頑張っていますよ!」といった意欲的な姿に成長を感じるのではないでしょうか。

子どもの成長は早い!

このように、子どもは色々な経験を通して学習したり、自分で出来ることが増えたり、得意なことが見つかったりして必ずこの1年間で大きく成長し、自信をつけています。そしてこの成長し、自分に自信をつけていることを糧に、新しいクラスや生活に対しても不安よりも期待や楽しみの方が増えるのです。

ですので、お家の方も子どもと一緒にこの1年間を通して子どもの成長したところを振り返ってみると良いと思います。「こんなことが出来るようになったね!」「おにいさん、おねえさんになったね!」と子どもと話すことが、子どもにとっても、お家の方にとっても進級を楽しみに出来るきっかけとなることと思います。

また、担任保育士に特別仲良しのお友だちではないお友だちとの関わりについてなども聞いてみてもいいかと思います。そうすると、また違った子どもの一面も知ることができるでしょう。そしてきっと、「仲良しのお友だちとクラスが離れてしまっても、~ちゃんなら大丈夫!」と思えるような具体的なお話もしてくれると思います。

保育園で子どもたちと共に過ごしている中で、子どもって大人が思っている以上に柔軟性があって、自分の力で色々なことを乗り越えようとしているのだな~と思うことがあります。

実際の男の子男の子の例

例えば、3歳児(4歳過ぎています)のある男の子がそれほど好きではない女の子の話を聞かせてくれたことがあります。

「僕ね、Мちゃんのことあんまり好きじゃないんだけどね、大切にしてるんだよ。だって、大切にしてあげないと、Мちゃんがかわいそうでしょ。」ってその男の子がそう言ったんです。

わたしはその話を聞いて、「すごいな」って思いました。まだ4歳なのに、自分の好きじゃない気持ちを優先するのではなくて、相手の気持ちにもなって思いやりをもってあげているということを感じたからです。

子どもって、そうやって保育園で色々なお友だちと関わり合う中で人間関係を学んでいくのです。ですので、仲良しのお友だちとだけ過ごすことが、決して子どもにとって良いことだとは言えないのです。

この男の子も最初からそのように思えたわけではないかもしれません。もうすごく嫌だ!と思ってケンカばかりしていた時もあったかもしれません。でも、関わる中で嫌なところばかりではなく、その女の子の良いところを見つけることが出来たのかもしれませんよね。

同じように、もしかしたら進級したばかりの時は「~ちゃんが嫌なことばかりするんだ。保育園に行きたくない!」と言う子どももいるかもしれません。しかし、そういった関わり合いも含めて、人間関係を学習できるところが保育園の良いところともいえます。

お家のひとは、そういった子どもの話を聞いて嫌だった気持ちを受け止めてあげながらも、仲良くするにはどうしたら良いか一緒に考えてあげると良いでしょう。また、心配な場合は担任保育士に状況を聞きながら、サポートしてもらえるようにお願いしても良いと思います。

このようにお家の人や保育士の支えや見守りにより、子どもはまた新たな人間関係を学習し、お友だちとの関係を作り上げていきます。新しいクラスになり、子どもが多少躓いたことがあったとしても、良い学習の機会と捉え、サポートしながら保育園に送り出してあげましょう。

また、今まで仲良しだったお友だちとの関係も、子どもが望むのであれば大切にしてあげたいですよね。保育園ではクラスでの活動以外にも自由あそびの時間もあります。子どもにそういった時間に一緒に遊ぶことを提案したり、出来るのであれば降園後やお休みの日など、両方の親子一緒に遊ぶ機会などがあると良いかもしれませんね。

不安② 新しい担任保育士との関係は大丈夫かな

進級して新しいクラスになると同時に、ほとんどの保育園では担任保育士も新しくなることと思います。この1年を通して、親子共々築き上げてきた担任保育士との信頼関係を、また新しい担任保育士ともきちんと築いていけるのか、不安になりますよね。

ではどうして担任保育士は交代するのでしょうか?
それは、色々な保育士と関わることで、子どもの心がより豊に成長するからなんです。そう、色々なお友だちがいるということを学習するのと同じように、色々な先生がいるということを学習することが大切ということなのです。

もちろん、前の担任保育士が大好きでその先生に慣れていたのに、急に新しい担任保育士になるので、雰囲気だったり、話し方だったり、保育の方法が変わって一時的に戸惑う子どもも少なくないと思います。

しかし、どの保育士も子どものことを大切に思っていない保育士はいません。保育士自身の個性の違いにより、前のクラスとは全く同じようにはならないかと思いますが、どの保育士も子どもがよりよく保育園生活を送れるように、日々子どもたちのことを第一に考えて保育をしています。

そして子どもたちは、新しい担任保育士と過ごしているうちにそのことを自然に感じ取り、次第に信頼関係を築いていくことができます。ですので、お家の方もぜひ、子どもと一緒に新しい担任保育士と沢山お話をしたりして関わりを持ち、お互いの理解を深め、信頼関係を築いていって欲しいと思います。

子どもにとっても1人の保育士だけではなく、より多くの保育士と関わり、信頼関係を築いていくことの方がたくさんのメリットがあります。それぞれの保育士の得意なことを通して、より多くの活動を楽しみ学習していくこともできますし、より人間関係が豊かになり、柔軟性も増していくことと思います。

また、担任保育士としては初めてかもしれませんが、クラス活動以外で子どもは普段から関わりを持っていると思います。なんとなくどんな感じの先生なのかわかっているかもしれませんので、子どもに聞いてみたり、子どもの話をきっかけに新しい担任保育士と話してみてもいいかと思います。

前の担任保育士とも、新しい担任保育士とも良い関わりを持つことが子供のため

そして、クラスが変わる前は必ず前の担任と新しい担任とが、1人1人の子どもについて話し合う引継ぎが行われます。その際、1人1人の子どもの性格や特性などについて話合っていると思いますので、新しい担任保育士が子どものことが全くわからないということはないので安心して頂けたらと思います。

それでも中にはやっぱり前の担任保育士とものすごく気が合っていて特別大好きだったり、さみしい時など、この保育士だと安心するという子どももいたりします。お家の方も子どもと話しをしていたり、子どもの態度を見ていて感じることがあるのではないでしょうか。

どの保育士も、子どもが大好きで子どものために日々頑張っていますが、人間ですので気が合うとか、特別大好きと思う子どもの感情は自然なことだと思います。それについては、園の保育士全員が理解していて、クラス担任だけが自分のクラスの子どもだけを保育するのではなく、園全体で全ての子どもを保育しているという意識を持っています。

ですので、保育園では慣れ親しんだ前の担任保育士とも、新しい担任保育士とも関わりを持ちながら、子どもなりに保育園での生活を安心して楽しく過ごしていこうとしている姿を見守っていただけたらと思います。

まとめ

最後にまとめとして、①②の各不安について、保育園でしているアドバイスのチェックポイントを整理したいと思います。

不安① 仲良しのお友だちとクラスが離れてしまっても大丈夫かな

  • 子どもが自信を持ち、進級を楽しみに出来るように、成長していることを伝える。
  • 新しいお友だちとの出会いや関わりを大切にし、必要な所はサポートする。

不安② 新しい担任保育士との関係は大丈夫かな

  • 積極的に新しい担任保育士と関わりを持ち、信頼関係を築く。
  • 色々な保育士と関わり合いながら、子どもが成長していく姿を見守る。

以上、もうすぐ進級!保護者の方からよく聞かれる進級に関する心配や不安の内容とそのアドバイス(前編)でした。次回は続きとしてもうすぐ進級!保護者の方からよく聞かれる進級に関する心配や不安の内容とそのアドバイス(後編)の不安③「担任保育士の人数が少なくなるけど大丈夫?」からお話しますのでまた参考にしていただければと思います。

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