順調に大きくなってくれたのは嬉しいけれど、それはそれで赤ちゃんのころとはまた違った悩みが増えてくるのがこの位の時期の子どもですよね。ちょろちょろ動いて、もにょもにょおしゃべりして可愛いけど、「どうしたらいいの!?」という悩みが多いです。そんな保護者の方からよく聞かれる悩みごとTOP3とその解決策について考えてみました。ぜひ読んで参考になればいいなと思います。
悩みごと①~よく動いていたずらばかりする
1歳を過ぎたころからだいたいの子はひとり歩きをするようになります。今まではおんぶやだっこでお出かけしたり、お家にいてもそこまで動かず目が行き届いていたのに、歩くようになってからはちょちょろと動き回り、何をするかわからずハラハラしますよね。
そして、大人が用意したおもちゃに飽きてしまうと、そこらじゅうのものを引っ張り出したり、高いところにあるものを取ろうとしたり、引き出しを開けてみたり。ちょっと目を離しただけなのに、お部屋の中が大変なことになってしまいます。
大人からするとどう見ても「いたずら」にしか見えないこの子どもの行動。実はこれもちゃんと発達しているから見られる行動です。「何回注意しても治らないけど、うちの子大丈夫?もしかして多動?」と心配しなくても大丈夫ですよ。
この行動は探索行動と呼ばれるもので、回りのものに興味や関心が沸き、「これはなんだろう?」と思って、見て触ってどんなものなのかを自分で確かめている行動です。まだ歩かないころから始まっているのですが、自分で歩いてどこまでもいけるようになるとさらに高まってしまうんですね。
そうやってひとつひとつそれが何なのかということを五感を使って学習していくのです。ですので、近くで大人が見守ってあげられる状況なのであれば危険がない限り探索行動をさせてあげて欲しいですし、子どもに「これは~だよ」と名前を教えてあげたり、使い方を教えてあげて欲しいと思います。
でも、いつもそうしてあげられるわけではないですよね。そういう時は遊べるスペースをあらかじめ区切っておいて、危険な場所へは行けないようにしておきましょう。そして、大人は子どもの姿を見失わないように、壁を背にして子どもがどこに行ったか見える場所にいるようにすると良いと思います。
注意して欲しいのは、子どもが飲み込めるサイズのものを手の届くところに置かない、足を上げて一人で登れるようなものを置かないということです。なぜなら、この位の子どもの事故で多いのが誤飲・転落だからです。
しかし、例えば滑り台などの遊具で遊ぶ場合は大人が寄り添ってあげて、危険のないように見守りながら沢山経験させてあげて下さい。平行感覚やバランス感覚を養うことによって、だんだん自分で危険を察知して防ぐことが出来るようになっていくでしょう。
探索行動の経験ををたっぷり積んで学習した子どもは、物の理解が進みます。「またいたずらして~」と思っても、「だめ!」とだけ言うのではなくて、どうして触ってはいけないのかということを教えてあげましょう。本当に触ってほしくないものであれば、大人のほうが子どもの手の届かないところに片付けるなどして配慮してあげて下さい。
悩みごと②~食べ物の好き嫌いをしだす
今まで何でもモリモリ食べていたのに突然好き嫌いが出てきて食べようとしなくなってしまった!ということが1歳を過ぎたころからあるようになります。これは、味覚や情緒などが発達してきて、これは「すき」でもこれは「いや」ということがはっきり分かって主張するようになるからです。
でもここで嫌がる食べ物を完全に抜いてしまうと、子どもも「嫌なものは食べなくてもよい」という風に思ってしまいます。この時、「いや」と言って食べない食べ物はアレルギーなどのせいで「食べられない」のではなくて、「食べられるけど食べたくないだけ」ということを理解しておきましょう。
かといって、「だめ!食べられるでしょ!食べなさい!」と言われても、子どもは「美味しくないからやだー!」「どうしてわかってくれないの!」となり、怒って泣いて、大人も子供もどちらも体力消耗しちゃいます・・・。
でも出来れば楽しく食事をしたいですよね。そういう時は、「じゃあ今日はこれだけ食べようね」と少しだけ食べるところから進めてあげるようにしましょう。それでも嫌がる子は嫌がるかもしれませんが、お家の人が「食べたくない僕(わたし)の気持ちを理解してくれた」と感じることはとても大切です。
しかしここでは必ず最初は何かと混ぜてしまっても良いので少しは食べさせるようにしましょう。なぜなら、「食べたくないけど、何でも食べられるほうがよい」ということをきちんと子どもに教えてあげることが大切だからです。
そして食べられたら必ず褒めてあげましょう。そうやって段階を踏んでいくと、やがて嫌いなものでも食べなくてはいけないということが身に付いていきます。そして少し大きくなると、子どものほうから「嫌いだけど食べたよ」と言うようになるでしょう。
食べ物の好き嫌いだけではなく、子どもが「嫌いだけど~したよ!」という風に、がんばる意識を持てるようになることは生きていくうえでとても大事なことですよね。そんなことにも繋がると思いながら、何でも食べられる子どもに育ってくれるといいなと思います。
悩みごと③~なかなか寝付けない
保育園のお昼寝ではみんなと同じように普通によく寝る子なのに、「家だと夜なかなか寝なくて」というお悩みもよく聞きます。この位の子どもが夜なかなか眠りにつけないのは、断乳して間もないということが原因である場合もあったりするかもしれません。
日本の風潮として、離乳食が完了する1歳半くらいまでに卒乳あるいは断乳した方が良いと言われることが多いように思いますが、それは口から必要な栄養素を全て摂取することが出来るようになると、おっぱいから栄養を摂る必要がなくなるからだということなのだと思います。
でも、ママの中には「周りにそろそろおっぱいやめたら?」という風に言われてなんとなく断乳することにしたという人もいるのではないかなと思います。そして子どもも「もうおしまいってママに言われたから・・・さみしいけど」という風に思っているかもしれないですよね。
特に寝る時はいつもママのおっぱいを飲みながら安心して眠りにつけたのに、「飲ませてもらえないから安心できないよ~」・・・そう、安心できないからなかなか眠れないのではないでしょうか。
確かにおっぱいをあげることは赤ちゃんに必要な栄養素を与えるためではありますが、もう一つ大切なことがあります。それは、母子関係の絆を深めるコミュニケーションの一つであるということです。
ですので、もし子どもがおっぱいを飲んで安心して眠れるのであれば、まだしばらくあげていても問題はないかと思います。しかし、寝付けない原因が「安心できない、さみしい」という理由であるならば、おっぱいを飲ませることの他に安心して眠れる方法を見つけてあげることも大切でしょう。
その中でもやはり、添い寝をしながら頭や体を撫でる、手をつなぐ、耳を触るなど、体をくっつけてあげると安心して眠れる子どもも多いと思います。そうやって、少しずつおっぱいをあげなくても安心して眠れるようにしてあげられるといいですね。
まとめ
最後にまとめとして、各悩みごとにおける解決策のチェックポイントを整理したいと思います。
悩みごと①よく動いていたずらばかりする
- この時期の「いたずら」行動は正常に成長している証である。
- 子どもが安全に遊べるような環境を作ってあげる。
- 危険なことをした時は、ダメな理由を話して聞かせる。
悩みごと②食べ物の好き嫌いをしだす
- 好き嫌いをしだすのは、味覚や情緒の発達によるものである。
- 嫌いな食べ物でも少しは食べさせ、食べられたら必ず褒めるということを根気強く繰り返す。
悩みごと③なかなか寝付けない
- 眠れない原因が断乳と関係があるか考えてみる。
- 子どもが安心して眠れることを第一に考える。
- おっぱい以外の他に安心して眠れる方法を見つけてあげる。
ひとりで歩き始めて、だんだん何を言っているかわかってきて・・・見ているだけで面白い時期ですが、成長とともにまた悩むことが変わったり、増えていったりしますよね。でも、赤ちゃんの時と違ってだんだん自分の意志がはっきりして、色んなことがわかってきます。
ぜひ、子どもと一緒に同じものを見て、子どもの目線に一緒に立って、子どもの世界を覗いてみて下さい。きっと大人になってから気付けなかったことを気付かせてくれますよ。子どもの気持ちを理解できたら、悩みごともすっきり解消できるのかもしれませんね。