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1~2歳に多い悩み「かみつき」の原因と対処法

1~2歳に多い悩み「かみつき」の原因と対処法

保育園に通っている1,2歳の子どもたちの中で頻繁に起こるのがこの「かみつき」によるトラブル。初めて被害に遭ったり、何度も噛まれたりすると「どうしてうちの子が噛まれるの!?」と憤りを覚えるお家の方もいらっしゃると思います。

そして今までは噛んだりしなかったのに、お家で家族のことを噛むようになったと感じることはないでしょうか。もしくは自分のことを噛んでしまって心配になることもありませんか?

この「かみつき」、特に自分の気持ちを上手く言葉に出来ない1~2歳に多いのです。今回はこの「かみつき」が起こる原因とその対処法についてお話したいと思います。

原因① 体調が悪かったり疲れた時


風邪などからの病み上がりや遊び疲れ、寝不足などの生活リズムの乱れからくる不快感や、保育園に通っているようであれば一週間の疲れが出てくる週末などが原因となっていることがあります。

かみつく原因にこのようなことが思い当たるようであれば、無理をさせずにお家でゆっくり過ごす時間を作ったり、早めに寝かせるなどして生活リズムを整えてあげて下さい。

また、子どもとのスキンシップを多めに取り、精神的に安定して過ごせるようにすると良いでしょう。

原因② 欲求不満でストレスが溜まっている時

外や広い場所で思いっきり体を動かして遊べない、大人に自分の要求を受けとめてもらえない、大人に叱られた、過ごしている空間が狭くて圧迫感がある、おもちゃが足りないなどが原因となっていることがあります。

この場合、かみつく原因を大きく2つに分けて対処法を考えることが出来ます。

環境によるストレスが原因の場合

1つは環境によるストレスが原因になっていますので、晴れた日は外に出たり、公園に行って遊ぶ、雨の日でも室内遊具がたくさんある場所で遊べるようにしてあげると良いですね。

おもちゃの数が足りないのは主に保育園など、子どもがたくさんいるところだと考えられますので、保育士さんはひとりひとりが遊びを楽しめるようなおもちゃの種類や数を整える必要があります。また、狭い場所に沢山子どもを遊ばせ過ぎないような配慮も必要でしょう。

子どもが大人に気持ちを受け止めてもらえないことが原因の場合

もう一つの原因は子どもが大人に気持ちを受け止めてもらえないことが原因となっています。

子どもが大人に「こうして欲しい!」と訴えてきたことに対してきちんと向き合ってあげられていたかどうか考えてあげて下さい。
忙しくてつい適当に受け流したり、生返事ばかり返していませんでしたか?

誰かにかみついたり、自分のことを噛む(自傷行為)という行動は「かまって欲しい!」という気持ちの表れでもあると思いましょう。

原因③ やりたいことやして欲しいことを言葉にできない時


お友だちが持っているおもちゃが欲しい、こっちに来ないで欲しい、相手に嫌がられた、仲間に入りたい、一緒にあそびたい時など、自分のやりたいことやして欲しいことを上手く言葉にして伝えられない時に嚙みついてしまうことがあります。

これはほとんどがお友だちなどの相手がいる時に起こります。

ですので、この時期同じ位の子と遊ぶ時は大人が近くでしっかり見守ってあげる必要があります。
大人が見守ることによって子どもの気持ちに気付いたり、かみつきを未然に防ぐことが出来るからです。

でももしかみつきが起こってしまったら、まずは「噛まれてしまった子」の噛まれた場所を確認して冷水で冷やしながら「痛かったね」と言葉をかけて手当てをし、痛みや怖かった気持ちを受け止めます。

その後で「噛んでしまった子」がどうして噛んでしまったのかを状況から大人が推測し、「~したかったの?」と言葉にしてあげましょう。

そして、こういう時は「噛まずにこういう風に言うんだよ」と伝え方も教えてあげることも重要です。

その後、「噛みつかれた子」が痛い思いをしていることを気付かせ、「痛いことをするのは絶対にしてはいけない」ということを毅然とした態度で話して聞かせ、「噛むことは悪いこと」ということがわかるように言い聞かせます。

原因④ 歯が生えてきて痒いとき

比較的、まだ月齢が低い時には歯が生えてきて痒いというのが原因であることがあります。

痒さを軽減するために、とりあえず身近にあるものにかみつくのでしょう。大人が抱っこしている時にガブっと噛む時はこれが原因かもしれません。

こういう時は痒いというストレスを軽減できるようなおもちゃを渡してあげると良いでしょう。噛んでも良いおもちゃがあれば、遊んでいる間は人を噛むことはなくなると思います。

もし大人でも噛まれた時は「噛まれると痛いからやめてね」と痛いという表情をしながら噛んだ子どもに言い聞かせて下さい。
最初は自分が噛むと噛まれた相手は痛いということがわからず「?」な表情をするかもしれませんが、だんだんわかってきます。

まとめ

それでは最後に、原因①~④についての原因と対処法についてのチェックポイントを整理したいと思います。

原因①体調が悪かったり疲れた時

  • 心身ともにお家でゆっくり休めるようにする。

原因②欲求不満でストレスが溜まっている時

  • ストレスを発散させる。
  • 子どもの気持ちにしっかり向き合う。

原因③やりたいことやして欲しいことを言葉にできない時

  • 子ども同士で遊ぶ時は注意して見守り、未然に防ぐ。
  • 言葉で気持ちを伝える方法を繰り返し教える。

原因④歯が生えてきて痒いとき

  • 歯のかゆみを軽減できるようなおもちゃを用意する。

以上、「かみつき」の原因と対処法についてお話してきましたが、中には「理由のないかみつき」が起こることもあります。1度でも「かみつき」の行為が見られたら、落ち着くまで大人が注意をして見守ってあげましょう。

もし、保育園に通っている子どもさんであれば、お家で「かみつき」が見られたら、保育士に伝えたほうが良いと思います。

そういった情報があった方が保育園でも未然に「かみつき」を防ぐことができるからです。こうした「かみつき」も保育園とお家とで協力して見守っていき、対処していくことが何よりですよね。

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