前回の「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その2)では、②トイレで排尿・排便をするについてお伝えしてきました。引き続きまして、「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その3)では、③お弁当の準備をしたり、はしを使って食べるについてお伝えしたいと思います。
お弁当の準備をしたり、はしを使って食べる
3歳児から保育園に入園すると、だいたいの保育園ではほとんど毎日、白いご飯を入れたお弁当箱(ゴムバンドで固定)・はしケースに入れたはし・おしぼりケースに入れたおしぼり等を巾着袋などの袋の中に入れて持っていくようになると思います。
そこでまずは3歳児にとって使いやすいお弁当箱、ゴムバンド・はし、はしケース・おしぼり・おしぼりケースはどんなタイプのものなのかということと、扱い方の注意点から簡単にお話していきたいと思います。
お弁当箱、ゴムバンドはどんな物がお勧め?
初めにお弁当箱、ゴムバンドについてです。
お弁当箱
お弁当箱はプラスチック製の物よりもアルミ製のものがおすすめです。
理由としては、子どもが開け閉めしやすいこと、卒園まで3年間は壊れたりすることがなくて丈夫で長持ちするということ、冬にお弁当を暖飯器で温めた際、空気圧の変動でフタが開かないという心配がないことです。
プラスチック製でお弁当箱の脇でカチッと留めるタイプのものは、3歳児ですとなかなか自分で出来ない子どもが多いです。毎日繰り返し練習すればだんだん出来るようにもなるかもしれませんが、開け閉めに関してはアルミ製のものが圧倒的に簡単です。
確かにアルミ製のものは種類も限られていますし値段も少し高いですが、プラスチック製は熱に弱くて変形しやすいですし、付属のゴムが劣化しやすいなど長持ちせずに何回か買い替えなければならないのではないかと思います。
このように様々な点を総合的に考えると、プラスチック製よりもアルミ製のお弁当箱が良いのではないかと思います。アルミ製のお弁当箱が昔からなくならずに今も販売されて使われる理由、納得ですよね。
ただ、アルミ製ですと大きさが限られていますし、白いご飯を入れることに関しては最良ですが、遠足などの際におかずも入れて持たせる際にはあまり適さないかもしれませんのでその際は他にプラスチック製のお弁当箱を準備したほうが良いでしょう。
注意点ですが、白いご飯をお弁当箱に入れる際は、しっかり冷ましてからフタをして持たせた方が良いです。特に夏場は温かいままですとご飯が傷みやすいですので気を付けましょう。
ゴムバンド
ゴムバンドは、アルミ製のお弁当箱を最後にしっかり固定してあげるために必要です。ゴムバンドを選ぶ際はまげゴムなどの丸型のものではなくて、2センチ幅くらいの太目の幅の物が良いです。
ゴムバンドは保育園でもお家でも比較的失くしやすいかと思いますので、念のために予備があると朝見つからなくても慌てなくてよいかもしれませんね。朝準備する時ですが、ご飯が入っている状態でゴムをするのは3歳児にはまだ少し難しいかもしれませんのでお家の人がしてあげても良いと思います。
はしケース・はしはどんな物がお勧め?
次に、はしケース・はしについてです。
はしケース
はしケースは「上下で分かれて開くタイプのもの」と「上下をスライドさせて開くタイプのもの」と大きく2つのタイプに分かれていると思います。
もしこの2つのタイプで迷った場合は「上下をスライドさせて開くタイプのもの」がおすすめです。理由としては、子どもが使う際に壊れにくいからです。「上下に開くタイプのもの」ですと、開きすぎたり落としたりするとすぐに凹凸になっている凸の部分が折れて壊れてしまうのです・・・。
はし
はしは、3歳児ですと中にはまだ上手に持てない子どもがいるかもしれません。そんな子どもにとって一番持ちやすいのは「六角箸」(角が六カ所あるはし)ですが、なかなか売ってないかもしれません。
ですのではしの形は四角形でも丸形でもかまわないでしょう。ですが、持ち方はしっかり教えてあげるようにしましょう。注意点は小さい子どもははしの先を噛んで折ってしまうので洗う際は折れていないか・短くなっていないかよく点検をして、必要があれば交換しましょう。
おしぼりケース・おしぼりはどんな物がお勧め?
最後におしぼりケース・おしぼりです。
おしぼりケース
おしぼりケースもはしケースと同様に「フタを上から押してカチッとはめるタイプ」と「フタを回して開け閉めするタイプ」の2つのタイプに大きく分かれると思います。
この場合、「フタを上から押してカチッとはめるタイプ」は3歳児にとって開け閉めする時に力が足りずに出来ない子どもが多いので、多少練習は必要ですが「フタを回して開け閉めするタイプ」の方が扱いやすいでしょう。
おしぼり
おしぼりは、基本的に手や顔を拭けるものであれば何でも構いませんが、選ぶ際は大きさと素材に注意して頂きたいと思います。まずは大きさ。おしぼりが大きすぎてケースに入らないことがありますので、子どもがおしぼりを畳んでおしぼりケースに入れることが出来る大きさのものを選んであげて下さい。
そして素材。最近はタオル地以外にもマイクロファイバークロスの様な物も販売されていますが、水分を吸収できず水で濡らしてもほぼ乾いた状態のままであることがあります。おしぼりは水分を含まないと意味がないですので吸収できる素材のものを選んであげて下さい。
また、おしぼりは何度か使っているうちに傷んできます。お洗濯をしているから大丈夫と思いがちで古くなっても気が付かず、お手入れや交換するのを忘れてしまいがちです。何度か使ったら漂白してきれいにしたり、色が黒くなってきたら交換するなどの点検も忘れずにしてあげましょう。
これらの道具を入れる巾着袋(お弁当袋)のお勧めは?
ここまで、3歳児にとって使いやすいお弁当箱、ゴムバンド・はし、はしケース・おしぼり・おしぼりケースとそれぞれの注意点についてお話してきました。そしてここでもうひとつ。これらの道具を入れる巾着袋(お弁当袋)も必要かと思いますのでお話したいと思います。
巾着袋(お弁当袋)は、既製品でも手作りでも良いかと思いますが大きさと形に注意して下さい。大きさとしてはお弁当箱とおはしを入れたはしケース、出来ればおしぼりの入ったおしぼりケースが入る大きさのものを準備しましょう。
形はお弁当箱が斜めになったり横になったりせず、平にして入るようにマチがしっかりある袋であることが大切です。そして全て袋に入れてから紐を縛ることができるかどうかも確認できると一番良いでしょう。巾着袋が小さすぎると子どもが片付けにくいですので注意しましょう。
道具の準備が出来たら子どもと一緒に連取しよう!
これまでお話してきたお弁当箱、ゴムバンド・はし、はしケース・おしぼり・おしぼりケースそして巾着袋が準備出来たら次は入園する前に実際に子どもと一緒にこれらの準備から片付けまでをお家でやってみましょう。
子どもには「もうすぐ保育園に行くよね。保育園に行ったらお弁当の準備とお片付けは自分でするんだよ。練習しとこうね。」などと話して聞かせながら行うと良いと思います。
最初はそれぞれの工程を区切りながら徐々に増やしていき、最終的に一連の流れを練習できるようにしてあげると子どももわかりやすく、覚えやすいと思います。焦らず少しずつ丁寧に教えてあげることが大切です。
物分かりの良い子や、やる気・根気のある子どもですと覚えるのも早いかもしれませんが、色々な特性を持った子どもがいるかと思います。
教える側としてはどうしても「しっかり出来るようにさせなくちゃ」と思うかもしれませんが、あくまでも子どもが保育園に入園するのを楽しみに出来るように行うことを忘れないようにしましょう。
お昼ご飯時がお勧め!おはしの練習も一緒にやろう!
お家で実際に行うのは、一番時間に余裕があるお昼ご飯時が良いのではないかと思います。まずはお茶碗の代わりにお弁当箱の中に実際にご飯を入れて食べてみることから始めて、おはしも使って食べてみましょう。
おはしをまだ使っていない場合はこれを機に使ってみるのが良いと思います。入園する保育園がスプーン・フォークを使っても良い園だとしても、必ずおはしを使う機会がやってきますので3歳を過ぎていたら練習した方が良いです。徐々にでも、おはしで食べられるようにしていきましょう。
お弁当箱とおはしでご飯を食べることに慣れてきたら、今度は巾着袋に入れておいて、自分で出して食べてまた巾着袋に入れるところまで教えてあげましょう。そしてそれにも慣れてきたら、巾着袋の中におしぼりの入ったおしぼりケースも入れて、「おしぼりを水に濡らして絞ること」も教えてあげて下さい。
「おしぼりを水で濡らして絞る」ということは3歳だとまだ難しいかもしれません。絞り切れずにおしぼりが水を沢山含んだ状態かもしれませんが、これも経験の一つですのでなかなか上手にならなくても繰り返しさせていくことが大切です。
最終的にはお家にあるチャック付きのリュックサックなどのバッグ(通園バッグがあればそれを使う)にご飯を入れたお弁当箱・はしを入れたはしケース・おしぼりを入れたおしぼりケースが全て入った巾着袋を入れた状態で、準備~片付けまでをする練習をしましょう。
こんな感じで一部始終練習を行うようになったら、順序はなるべく毎回同じであるように教えてあげた方が子どもは覚えやすいでしょう。そして何回か練習していると苦手なところも出てくると思いますのでそこは重点的に教えてあげると良いと思います。
毎日お家の中で練習するのに飽きた時は、白いご飯だけでないお弁当を持って、気分転換に公園などに出かけてピクニック気分を味わいながら練習するのも楽しいと思います。子どもは雰囲気や気分にも左右されやすいですので、その辺りも工夫出来ると良いですね。
まとめ
それではまとめとして、「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その3)の③お弁当の準備をしたり、はしを使って食べるについてのチェックポイントをお話したいと思います。
■お弁当の準備をしたり、はしを使って食べれるようになるには?
- お弁当箱はプラスチック製の物よりもアルミ製のものがおすすめ。
- 白いご飯をお弁当箱に入れる際は、しっかり冷ましてからフタをして持たせた方が良い。
- ゴムバンドを選ぶ際は2センチ幅くらいの太目の幅の物が良い。
- はしケースは「上下をスライドさせて開くタイプのもの」がおすすめ。
- 3歳を過ぎたらはしの持ち方をしっかり教えてあげるようにする。
- おしぼりケースは「フタを回して開け閉めするタイプ」の方がおすすめ。
- おしぼりを選ぶ際は大きさと素材に注意し、清潔に保つ。
- 巾着袋は大きさと形に注意。
- 練習は工程を区切りながら徐々に増やし、最終的に一連の流れを教えると良い。
- 子どもが保育園に入園するのを楽しみに出来るように練習を行う。
- 子どもは雰囲気や気分にも左右されやすいので、工夫すると良い。
「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その3)、③お弁当の準備をしたり、はしを使って食べるについてについてお伝えしました。なるべく子どもにとって使いやすい道具を揃えてあげることと、子どものペースに合わせてわかりやすく楽しく練習することがお家で準備するにあたって大切になるのではないかと思います。
続きまして次回は「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その4)④衣服や靴、靴下を着脱するについてをお伝えします。こちらも読んで参考にして頂けたら嬉しいです。
・3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その1~挨拶が出来るようになるには?】
・3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その2~トイレで排尿・排便を出来るようになるには?】
・3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その3~お弁当の準備をしたり、はしを使って食べれるようになるには?】
・3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その4~衣服や靴、靴下を着脱出来るようになるには?】
・3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その5~椅子に座ってお話を聞けるようになるには?】