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3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その5~椅子に座ってお話を聞けるようになるには?】

3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?【その5~椅子に座ってお話を聞けるようになるには?】

前回の「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その4)では④衣服や靴、靴下を着脱するについてお伝えしてきました。引き続きまして、「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その5)では、⑤椅子に座ってお話を聞くについてお伝えしたいと思います。

椅子に座ってお話を聞く

子どもが保育園に入園するということは、お家の人がお仕事を始めるからという理由の他にも「子どもに社会性を身につける」というもう一つの大きな理由がありますよね。特に3歳児からの入園ですと、未満児からの入園に比べてその意味は大きいと思います。

この「社会性を身につける」という目的でまずとても大切なこととは、「保育士(先生)のお話を聞くこと」です。これは、一方的に先生の言うことを必ず聞かなければならないという強制的な意味ではなく、保育園での生活が子どもにとってより豊かで充実したものになるために必要なことと言えると思います。

特に保育園は集団生活の場ですから、お家と違って個人的な声掛けよりも保育士から集団に向かっての声掛けがとても多いです。その声掛けに子どもが耳を傾け集中して意味を理解するためには保育士を見ながら静かに話しを聞くということが欠かせません。

ほとんどの保育園では0~1歳のお座りが上手になった頃から体を静止した状態で保育士のお話を良く聞くことが出来るように、「椅子に座る」ということを生活の中で取り入れていると思います。

ですのでそのまま進級する子どもは、わりと「椅子に座ってお話を聞く」ことに困り感はないです。しかしながらやはり、3歳児から入園した子どもの場合ですと我慢出来ずにお部屋の中を立って歩いてしまったり、お友だちにちょっかいを出し始めたりしてしまうことがあります。

そうしたことが起こることによってクラスが落ち着かず、お話や活動が中断されてしまったり、椅子に座ることが難しい子ども自身も保育士の話していることがわからず、活動を楽しめなくなってしまいます。

そのため、なるべくそういったことが起こらないようにぜひ保育園に入園する前にお家で「椅子に座ってお話を聞く」ということをしつけの一つとして身につけることができるように準備しておいて欲しいのです。

そこで、「うちの子、あんまり椅子に座ってじっとしていられないな・・・」心配しているパパやママに、保育園入園前の生活の中のどんな時に「椅子に座ってお話を聞く」ということを身につけさせていけば良いのかということをお話したいと思います。

どんな時に「椅子に座ってお話を聞く」ことを身につけさせるべき?

まずは「食事やおやつ」の時のことを思い出してみて下さい。休日は外出先の色々な場所で食べることもあると思いますので普段のお家での時が良いでしょう。食事やおやつの時間はだいたい同じでしょうか?食べる時はどこでどんな風に誰と食べているでしょうか?あいさつはしっかりしていますか?

食べる時間がバラバラの場合はせめて前後30分くらいに整えてあげて下さい。生活リズムが整っていない状態で食事をすると、子どもはお腹が空いていないあるいは急激にお腹が空いている状態での食事になり、立ったまま食べ物を口に入れる、食べることに集中できないなど座って落ち着いて食事を取ることが難しいです。

食事をする時はテーブルとイスを使い、食べること以外の刺激になるもの(テレビやおもちゃ)は一旦中断します。1人での食事はなるべく避け、大人やお友だちなどと一緒に食べるようにして下さい。静かで落ち着いた状態で誰かと一緒に食べることによって座って会話をすることの楽しさを自然に経験出来ます。

食事の時間を決めるために「いただきます」と「ごちそうさま」のあいさつも重要です。食事の時間を決めるということは、座っている時間の始まりと終わりを自分で確認することが出来るということです。この経験も幼い子どもにとって重要です。

「椅子に座ってする遊び」も経験させよう!

食事の時間の他に、「椅子に座ってする遊び」もやってみると良いと思います。動いて遊ぶことも良いことですし、動いて遊ぶ方が好きでなかなかじっとしていられない子どももいるかと思いますが短い時間でも良いのでまずは経験させることが大切です。

また、動いて遊ぶと体が疲れるので活動的な遊びをした後に座って落ち着いた遊びをすると子どもが集中して遊べることもあるので、バランス良く順番に行ってあげると良いかもしれません。参考にしてみて下さい。

「椅子に座ってするあそび」って例えば?

それでは3歳くらいの子どもが出来る「椅子に座ってするあそび」を簡単にいくつか提案していきたいと思います。まずは「紙芝居・絵本の読み聞かせ」です。パパやママの膝の上に子どもを座らせて読んであげることもとても良いのですが、ここでは「椅子に座ることに慣れる」ということを重視してやってみましょう。

他には「お絵かき」「塗り絵」「シール貼り」「折り紙、紙、新聞紙などを使った遊び」「はさみ」などを使った製作あそび、「粘土あそび」「パズル」などの遊びが良いかと思います。子どもが興味を持てそうだなと思うあそびから始めてみましょう。

最初は「え!もうやめるの!?」と思う位短い時間しか座って遊ぶことが出来ないかもしれませんが、気にしなくても大丈夫です。あそびに慣れたり、上手に出来たりするようになると子どもも楽しくなって長い時間遊べるようにもなるでしょう。

また、静かに座っているから・・・という理由で「テレビやDVDを観る」ということもあるかもしれませんが、テレビやDVDは子どもにとって人とのやりとりのない、一方的な刺激です。あまり長時間観せない、暴力的なシーンのあるものは観せない、観る時は大人とお話しながら一緒に見るなど、大人が子どもに悪影響がないか考えながら観るようにしましょう。

外出先での子どもへのしつけも大事

そしてもう一つ。外出先での子どもへのしつけも「椅子に座る」ことも含めて、お家の人がしてあげることで社会性を身につけることが出来ます。外食に行った際もお家と同じように「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつをしっかり行い、座って食事が出来るようにしましょう。

食べ終わった後もお店の中を走り回ったりすることのないよう、子どもが座って出来るあそび道具を持っていくなどする工夫も大切です。静かに座って待っていることの大切さも教えてあげましょう。

食事の時以外でも、バスや電車の中では立ち上がらないなどのしつけを行うことで「自分が騒ぐと回りの人に迷惑になること」を自然に学んでいきます。そういった学びが保育園に入園してからも生きてきますので、子どものために大人が教えていってあげましょう。

まとめ

それではまとめとして、「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その5)⑤椅子に座ってお話を聞くについてのチェックポイントをお話したいと思います。

■椅子に座ってお話を聞けるようになるには?

  • 椅子に座ってお話を聞くことは、園生活が子どもにとってより豊かで充実したものになるために必要。
  • 食事をする時間は、毎日前後30分くらいの間に整える。
  • 食事中はテーブルとイスを使い、テレビやおもちゃなどの刺激は一旦中断する。
  • 1人での食事はなるべく避け、大人やお友だちなどと一緒に食べる。
  • 食事の時間を決めるために「いただきます」と「ごちそうさま」のあいさつも重要。
  • 短い時間でも、椅子に座ってする遊びも経験させる。
  • 「紙芝居・絵本の読み聞かせ」「お絵かき」「塗り絵」「シール貼り」「折り紙、紙、新聞紙などを使った遊び」「はさみ」などを使った製作あそび、「粘土あそび」「パズル」などの遊びがおすすめ。
  • テレビやDVDは大人が子どもに悪影響がないか考えながら観るようにする。
  • 外出先での子どもへのしつけも「椅子に座る」ことも含めて、お家の人がしてあげることで社会性を身につけることが出来る。

「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」(その5)はいかがだったでしょうか。「椅子に座ってお話を聞く」ということが出来ると、保育園での生活に馴染みやすいといえます。それと同時にそのようなしつけを行うことで社会性も育ちますので、お家で出来る限り教えていけると良いのではないでしょうか。

以上、①~⑤の5回に分けて「3歳児クラスに入る時に準備しておくべき5つのこととは?」という記事をお伝えしてきました。
最後にお伝えしたいのは、全ての内容が出来なければならないというよりも、まずはお家で子どもに経験させることが大切だということです。

その上で子どもの得意・不得意を知り、保育園に入園してからも子どもの成長をサポートしてあげられると、より良い親子関係が築けるのではないかと思います。この記事がそんな風に役に立って頂けたらいいなと思います。

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